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コラム

国際ロボット展

2018.01.18

パラメトリック・ボイス           アンズスタジオ 竹中司/岡部文

岡部  昨年の末、二年おきのイベントである2017国際ロボット展が開催された。
    二年前はヒト対ロボットの関係を色濃く感じたけど、今年はロボットが確実に我々の
    社会に入り込んできたことを実感する展示内容だった。
       
竹中  サービスロボットや一般向けのロボットが大幅に増加していたね。出展者数を見ても、
    2015年の446社(団体)の参加から612社(団体)へと大きく増えて、来場者数も
    13万人と過去最高を記録、会場は熱気にあふれていた。
 
岡部  展示内容としてはやはり2013年に産業用ロボトの安全対策規則が改正された影響
    が大きいね。人とロボットの協働作業が認められ、協調型ロボットの登場が大きな変
    化を生んでいた。物々しい安全柵が取り払われ、人に寄り添うことのできるロボット
    が姿を現したからだ。
 
竹中  そうだね、KUKA社の知的能力を持った作業アシスタントLBR iiwaやABB社の協働型
    双腕ロボットYuMiなどがその代表だね。そんなロボットの誕生に伴って、展示内容も
    充実していた。来場者が実際にロボットに触れることができ、ロボットへの距離感が
    急に近くなったと感じた人は多いだろう。
 
岡部  そして最も注目したいのは、完全自動化を掲げた自律制御、機械学習、人工知能など
    最先端技術を活用したアプローチだ。ものづくりのパフォーマンスとしてはまだまだ
    未熟ではあるが、ロボットの学習過程がはじまった今、その能力は確実に進化の一途
    をたどるに違いない。二年後の成長が楽しみである。
 
竹中  そんな中、我々、アットロボティクスが展示したのが、2台のロボットを自律して操
    るロボチームによるパフォーマンスだ。2本のアームを同期運動させながら、力覚セ
    ンサによるフィードバック制御の技術である。実際のものづくりには欠かせない、人
    の指先の感覚能力を実装した技だ。
 
岡部  モノを並べたり持ち上げたりするマテリアルハンドリングのロボットが多い中、物質
    に触れながら職人の能力に挑むパフォーマンスは、本会場でも片手で数えられるほど
    しかない。2台のロボットが協調しながら一体となり、息を合わせて作業する姿に大
    きな可能性を感じた。
 
竹中  モノに触れるという行為は、ものづくりの原点である。
    指先の感覚を研ぎ澄まし、マテリアルと対話する。手に宿る繊細な感覚を、計算技術
    を用いて実現したのが、今回の展示だった。
 
岡部  なるほど、細やかに感じられる動きは、感覚を計算技術で再現できたからこそ実現し
    たものなんだね。これからは、ロボットが技を学び、経験を積む時代がやってくる。
 
竹中  疲れを知らず、ひたすら学ぶロボットたちは、驚異的な成長を遂げるに違いない。
    建築界で活躍する職人ロボットを見る日もそう遠くないはずだ。

 Ⓒアットロボティクス
 ※上記の画像、クレジットをクリックするとアットロボティクスのWebサイトへリンクします。

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