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コラム

ウェアラブル端末&指発電

2018.10.30

ArchiFuture's Eye               ARX建築研究所 松家 克

グランドスラムの一つ、全米オープンテニスで優勝した“大坂なおみモデル”の情報端末が、シ
チズンから発売されている決勝でも彼女の手首に輝いていたプレイ中の心拍数などのデー
タをとっていたのかもしれない。小生も現在、スマホと連携したSONYのウェアラブル端末を
利用している。俗にいうスマートウォッチである。メールの着信や他の情報などを腕に着けた
状態で受信し便利に使っているが、一般的には、あまり普及していない。7、8年位前から利
用し始め、シチズンやカシオなども含め5代目だが、まだまだしっくりこない。ベルト側にシ
ステムを組み込んだタイプも発売されているが機能やデザインの不満もあり、操作的にもウ~
ンと考えることがまだ多い。スマホを敢えて日本製としているためアップル社のスマート
ウォッチの経験は残念ながら無いが、2018年4~6月期のアップル社の利益は、過去最高だと
いう。この中でもアップルウォッチは、意外や好調のようだ。トランプの中国制裁第3弾には、
このアップルウォッチは何故だか含まれていない。
話柄を変えるが、歩きながら、独り言をつぶやくようにスマホを使っている人を時々、見かけ
る。何故だか外国人が多いが、どこかヤバイ人と間違えることもあり未だ慣れない。スマート
ウォッチも電車の中で、音声認識機能を使うと御茶ノ水博士と通話しているアトムのようで、
この年だとなんだか恥ずかしく、若干の抵抗感がある。少しずつ慣れようとはしている
が・・・。日本では稀有に近いが、スマホやバックをサービスカウンターに預けさせられるレ
ストランがあった。違和感はあるが豪州にもあり、好評で増える傾向にあるという。
 
“知恵蔵”によれば、ウェアラブル端末とは、身につけて持ち歩くことができる情報端末の総称
とある。1990年代から米国マサチューセッツ工科大学のメディアラボを始めとし、各方面で
技術研究と開発が続けられている。メガネ型の“グーグル・グラス”によって期待度と認知度
高まったという。顔や頭、身体などに装着して利用する前述のメガネ型タイプやゴーグル、
ウォッチ、ヘッドセット、ネックレス、ブレスレットなどやパソコンやタブレットなど、他の
端末と連携して入出力を補助するものなど多岐にわたる。今ではGPS機能を備え、心拍数、距
離、フォーム、気圧や高度、上下動、ピッチ、地面接地時間左右バランス、最大酸素摂取量
乳酸性作業閾値(いきち)、クロノグラフ、ラップタイム、カロリー測定などの数値データの
保存と共に音楽が聴けるなどの機能を持つランニングウォッチが、寧ろ普及しているようであ
る。
 
最近、空自で初めての女性戦闘機操縦士が誕生して話題になったが、彼女は映画のトップガン
を見て以来、戦闘機パイロットに憧れたという。操縦士のヘルメットの中には、高度で高質な
メガネ型ウェアラブル端末が装着されているに違いない。前のコラムでも触れたが、中国の警
察官も警備のため「顔認証カメラ内蔵メガネ」を装備した。
それでは、日本でのウェアラブルはどうなのだろう。建築関連では、奥村組が、外壁タイル接
着状況の検査利用を目的に開発に取り組んでいるという。調査員はメガネ型のウェアラブル端
末を着用し、外観を目視で確認しながら外壁のタイルを打診棒で叩いたり擦ったりし、異常部
分を発見する。異常があった場合は、手元スイッチを押すと異音や映像が、外壁上の位置とと
もに端末に記録される仕組みだという。一方、戸田建設と村田製作所は、共同で、ヘルメット
に生体センサーを取り付け、作業員の健康状態が管理できるシステムを共同開発したという。
手首に巻くタイプでは、VR用の仮想実感、例えば硬さや重さ、ざらつき感などを感じられる
触覚ウエアラブルが、イクシーにより製品化され、軽量化も図られている。指にはめるリング
式のものやメガネ式、手首や腕に巻く、ベルトにシステムを組み込む、Tシャツやジャケット、ショートパンツ、ヘルメット、リストバンド型、ウェアラブルクーラー、ワイヤレス・イァ・
フォン、帽子・手袋型・靴下型、マイクロチップの身体への埋め込み、目の不自由な人のため
の歩行補助用、医療用など開発の余地があると考えるが、まだ、これは良いぞ、やったぁ~、
というものが見つからない。スマホやタブレットとの連携の建築現場管理のソフトやウェアラ
ブルなどもいくつか見られるようになってきたが、機能や重さとデザイン、プライバシー、機
密保護の問題など実用化には、まだまだ多くの夢と共に課題があるようだ。
 
以前と異なり、最近は、スマホ歩きをしている人を敢えて避けない。わざとぶつかるわけでは
ないが、起因者の向こうが避けよ、との意識が強くなった。エスカレータを利用する時もゲー
ムでスマホ歩きの人より、するりと先に乗る。ベビーカーやキャリーバックも以前と異なり、
利用者の意識が少し変化し改善されている。只、スマホは、ガラケーより画面確認時に肘が少
し揚がり、満員電車内でスマホ操作時の揚がった肘に触れただけでキッとにらまれると気持ち
が良くない。同様に自転車を乗りながらのスマホ操作で歩行者とぶつかる事故が多発し、有罪
判決も出た。また、人への追従移動やタブレットからのリモート操縦もできるロボットも開発
されているという。人をやさしく補助しぴったりと寄り添う。この事例や自転車や車に取り付
けられる情報機能を持つ端末機、車の運転者の健康状態や眠気を把握できる身体を包み込む
シートなどもウェアラブル端末の発展型とも言えなくはない。最近のニュースでは、真偽は不
明だが、サウジアラビヤとトルコ間の国際紛争に発展しているジャーナリスト失踪事件にもこ
のウェアラブル端末のスマートウォッチがしよう利用されたのではといわれる。
 
理化学研究所と東京大学のグループは、指に装着する太陽電池を開発中だという。生体情報を
集めるウェアラブル端末の電源を想定し、5年以内の実用化を目指している。構成する層を工
夫し、斜めや曲げても、実用化水準の高効率で安定的に発電できる指に装着する端末機。英科
学誌ネイチャーにも掲載された。
ウェアラブル端末関連技術は、今後、医療関係や会話翻訳ウェアラブル端末などを含め想像以
上の発展が期待でき、形状や形態を変化させていくと考えられるが、クラウド環境や停電時の
充電方法の確立などが当然のこととして設定されないと今後の展開には、限度があるように考
えられる。私も日本のメーカーに拘らず、性能で見つめ直してみたい。