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コラム

ゆるく繋がるプラットフォーム

2018.11.08

パラメトリック・ボイス                清水建設 丹野貴一郎

今年も10月26日にArchi Futureが開催されました。
私は今年から参加したUnityさんに関わらせていただいたのですがテクニカルフォーラム
は「インパクト」重視で技術的な話をしなかったので、簡単ですがコラムで書かせてもらい
ます。
 
使われている方なら知っていると思いますが、Unityはメジャーバージョンアップ毎に大き
な変化を遂げてきました。近年では4から5への移行に苦労した方は多いんじゃないでしょ
うか。また、比較的頻繁にアップデートが行われ、バグフィックス以外に新たな機能の実装
が行われます。
これは、Unityが様々なソフトやデバイスとつなげる事が多く標準の機能だけで完結するこ
とが少ないという状況が影響していると思います。
様々なアセット(モデルや機能や表現を追加するための部品)を入れたり、他のソフトや各
デバイス用に用意されたSDK(Software Development Kit)を入れることで様々な開発に
使えるため、いわゆるソフトウェアではなく開発プラットフォームとして認識されています。
 
例えば、今回披露したVTuber的に私の顔の表情をキャラクターにシンクロさせるものは
AppleのARKit(iOSでAR=拡張現実を実現するための基本機能)の中の顔の動きをトラッキ
ングするSDKを使ってUnityで作成されたアプリです(残念ながら一般公開はしていませんが、
類似アプリはあります)。
 
また、Revit版、ARCHICAD版に続いてRhinoceros版がリリスされた
「Unity BIM Importer」のようにUnityの基本機能を利用した開発もできます。これはさす
がに一般のUnityユーザーが簡単にできるものではありませんが、可能性として必要な機能を
追加できるという事は非常に大切です。
ちなみに「Unity BIM Importer」を使うことでなぜBIMモデルを軽く扱えるようになるかと
いうとBIMを画面に表示させるために裏で作成されているメッシュを取り出しマテリアル
毎にまとめる事で、ビジュアライゼーションに最適化を行っているからです(これは開発し
たDIXさんの話を聞きかじったまま書いているので正確ではないかもしれません)。
 
ここからは、今回のセミナーまでの流れを雑談としてお話します。
 
最初はArchi Futureが建築を主軸としたイベントであるため、「Unity BIM Importer」を
知ってもらおうと思っていました。
ですが、これまでのUnityがかかわるイベントを見ていると、ゲームが主軸であることもあり
ますがもっと自由に面白さを伝えていたり逆に非常に技術的なディテールを伝えていた
りと良くも悪くもきれいにまとまっていないものでした。
 
Unityの本質を伝えるのであれば、いわゆる建築の概念(エンタメ系に比べるとやはり堅い印
象のようです)にとらわれず、もっとゆるいセミナーの方がUnityらしくて良いのではないか
と思ってはいたのですが、そんな話をしている中でいっそのこと流行のVTuberに話をさせよ
うという案がでてきたのです(これが約1ヵ月前)。
 
同じタイミングで「Unity BIM Importer」がRhinoceros、Grasshopperに対応したので、
パラメトリックにデザインしたモデルをUnityに渡せるようになり、アプリクラフトさんの協
力のもとGrasshopperでデザインした曲面形状屋根をUnityに取り込んで物理シミュレーショ
ンにかけてみようとなりました。この時にVTuberイベントを既に実践していたオーナカの
伊藤さんの協力でVTuberの目途はたっていました(これが2週間前)。
 
これからはそれぞれデータのやり取りを行い、本番前日に会場でテストをしながら話す内容
をざっくりとおさらいし、わたしが「ユニティちゃん」になった方がおもしろいですかねー
という冗談を言って帰りました。
 
当日の朝、私は銀座のドン・キホーテでカツラを買っていました。
 
セミナーでのゆるさはともかくとして、プラットフォームとはこのようにさまざまなツール
とゆるく繋がれるものが重宝されます。最初のハードルが低く奥行きがある、例え未完成で
も様々なテストができることが重要です。
BIMに取り組む時に最初から完成形を目指して失敗してしまう例をよく見かけます。BIMを
プラットフォームと考えるのであれば、もっとゆるく様々なものと繋がるべきです。これま
での型にはめずに再構築しなければBIMがデジタルプラットフォームとなるのは難しいので
はないでしょうか。

 LookingGlassで爆発デモ

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