BIMソフトを触る人が軽いプログラミングを覚えた方が良い5つの理由
2019.04.04
パラメトリック・ボイス ジオメトリデザインエンジニア 石津優子
BIMの中でプログラミングをすると聞くと、APIを読みながらツール開発を長期的に取り組む
というイメージが先行すると思います。今回は、もう少し軽い開発まではいかない個人のタス
クの自動化におけるプログラミングの設計をはじめ、BIMソフトに関わる全ての人が習ったほ
うが絶対お得ですという話をしたいと思います。
BIMになった地点で情報はデジタルです。デジタルの情報になっているものはプログラミング
で整理できます。そして整理さえできれば、テキストで書き出して外部のソフトで使うことも
想像以上に簡単にできます。一番のハードルは、自分は設計者だからプログラミングなんて手
を出したら何の職業か分からなくなるといった恐怖心です。英語を習ったことがあるように、
あまり気負わずやってみることをお勧めします。小説家になるのと、毎日自分のために日記を
つけるのとは全く違うように、誰かに見せるためのプログラムではなく、あくまでも自分の業
務の効率化に向けて覚えてみるというのがお勧めです。
1.精神状態が良くなる。BIMを使って仕事をしている人が一番苦しいと思っていること
は、繰り返し作業だと思います。例え、その作業が10分だとしても、その作業が単純
であればあるほど繰り返されると精神的に参ってきます。それがプログラミングで
やってみようと考えてみたらどうでしょうか。その作業が単純であったとしても自動
化しようと考えたとたんにクリエイティブでチャレンジングなタスクに変わります。
例えばフォルダの中のファイルを一括に変更するというような簡単なものでもそのプ
ログラムができると可愛いプログラミング作品に変わります。
2.効率化が図れる。与えられた単純作業をプログラムにやらせて、(かつそのプログラ
ムの存在を周りには秘密にして)休憩をしっかりとることで効率が上がります。
3.ロジカルシンキングが身につく。CADからBIMへのハードルはロジカルシンキングで
す。どういうふうにソフトが動いているのかイメージがつかないまま使うと、操作を
すべて丸暗記することになり、応用が利かずBIMを最大限に活用できません。仕組み
で理解する癖がついてきます。
4.ソフトウェアに対する理解が深まる。マウスでクリックして使っていた時と異なり、
ソフトウェアがどのような情報構成でできるか理解できるので、より深い意味でBIM
情報を理解することができます。より整理されたBIMのワークフローを考えることが
できます。
5.BIMで実現したいことが具体的になる。日頃、簡単なものは自らプログラミングで解
決しているため、組織レベルの開発が必要になったときにプログラマーへの依頼が的
確にできるようになります。
BIMで仕事をすると一言で言ってもどのようにBIMに携わるかは役割によって異なります。私
の場合は、設計自体というよりもデータと関わりが深いので、プログラミングは必須になりま
す。その専門職ではない人も、ダイナモやグラスホッパーといったビジュアルプログラミング
でも、パイソンやC#といったスクリプト言語でも少しでもやってみるとBIMというデータや
情報という部分を少しでも体験として身につくのではないかと感じています。特に組織のBIM
の方向性を決定するテクニカルディレクターと会話をする能力を培うためにも、少しだけでも
触ってみるというは非常に大切だと思います。