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コラム

マス・カスタマイゼーション

2015.04.16

ArchiFuture's Eye                 日建設計 山梨知彦

世界のモノづくりの現状を丁寧に見てみると、ICTという一見バーチャルな世界との関連が
強そうなものが発展した結果、逆にものづくりを、古典的にも思える一品生産に引き戻して
いるようで面白い。最近では大量生産=マス・プロダクションに対峙するモノづくりとして
「マス・カスタマイゼーション」や、インダストリー4.0などとも呼ばれている動きだ。
ICTをうまい具合につかうことで、一品生産並みのユーザーにフィットしたモノづくりと、
大量生産並みの精度とコストを両立させようという試みといってよいだろう。
大量に生産をしなければならない家電などでこれを実現することはなかなか難しそうに思え
るが、そもそも一品生産である建築とはなじみがいい概念だ。建築の世界で理想的なマス・
カスタマイゼーションをいち早く実現すれば、建築が最先端のモノづくりとなりえるのでは?
などと企んでいる。そんなわけで、ICTを建築の世界に持ち込もうとしている(笑)。
 



写真はアルヴァロ・シザのレサのスイミングプール。こんな自然に溶け込んだデザインが、ICTによって実現できる日を楽しみにしている。
 

山梨 知彦 氏

日建設計 常務執行役員 チーフデザインオフィサー 設計部門 プリンシパル