2019年日本建築学会賞を発表<日本建築学会>
2019.04.22
一般社団法人日本建築学会は、2019年日本建築学会賞を4月19日(金)に発表した。
大賞には、「建築環境学と建築エネルギー計画の研究教育と長年の国際的活動における顕著な業
績」により木村建一氏(国際人間環境研究所代表、早稲田大学名誉教授)、「日本古代建築史に
おける実証的研究と我が国の文化財保護に対する多大な貢献」により鈴木嘉吉氏(元奈良文化財
研究所所長・名誉研究員)、「耐震建築の構造デザインに関する研究・開発および国際活動への
貢献」により和田章氏(東京工業大学名誉教授)の3名がそれぞれ受賞した。
大賞は、建築に関する学術・技術・芸術の発展途上に長年の業績を通じて、特に著しく貢献した
同学会の個人会員を対象としている。
注目の学会賞(作品)は「桐朋学園大学調布キャンパス1号館」の山梨知彦氏(日建設計 常務執行
役員)、向野聡彦氏(日建設計 フェロー役員)、「新豊洲Brillia ランニング スタジアム」の
武松幸治氏(E.P.A環境変換装置建築研究所 取締役)、萩生田秀之氏(KAP 代表取締役)、喜多
村淳氏(太陽工業)の2作品が受賞した。山梨氏は、2014年度に続き、2回目の受賞となった。
「桐朋学園大学調布キャンパス1号館」は、不要なものを極限まで削ぎ落とし、非常に無機質な
空間でありながら、光に溢れ音大生の創造力を最大限刺激するような豊かな空間を実現し、遮音
を気にするあまり、監獄のようになりがちな音大のあり方に一石を投じていることが高く評価さ
れた。
「新豊洲Brillia ランニング スタジアム」は、プログラムとでき上がったハードウェアとの間に辻
褄が合わない部分は皆無であり、そこに“必然の美”を支える強固な計画の土台を見てとれるとと
もに、最小限の要素によってすべてを統合していることが高く評価された。
大賞と学会賞の贈呈式は、5月30日に建築会館ホール(東京・港区)で開催される通常総会後に実
施される予定だ。