東京23区の地層を立体化した3次元地質地盤図を
産総研が無償公開
2021.05.27
国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下、産総研)は、東京都心部の地下数十メートルまで
の地質構造を3次元で立体的に可視化した「3次元地質地盤図~東京23区版~」をWeb上で無
償公開した。同地盤図は、5万地点にもおよぶ東京都の土木・建築工事のボーリング調査デー
タを元に、産総研が独自に開発した3次元モデリング技術で解析。従来の平面地質図では的確
な表現が難しかった東京都心部の詳細な地下地質構造を立体的に可視化したものだ。今回の解
析で、東京下町の低地に存在する地下の埋没谷などが詳細に描き出された。埋没谷底は、東京
湾岸の最も深いところで、深さがおよそ80mだった。同地盤図は立体図以外にも、任意の箇所
の地質断面図の表示なども可能で、誰でもWebブラウザ上で閲覧できるため、地震ハザード
マップや都市インフラ整備などでの活用が期待できるという。今後産総研では、地下の地質構
造の解析を順次進め、首都圏主要部をカバーする3次元地下地質情報を整備する予定だ。