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2022年日本建築学会賞を発表<日本建築学会>

2022.04.20

一般社団法人日本建築学会は、2022年日本建築学会賞を4月19日(火)に発表した。
大賞は、「全国土の都市と農村の住宅供給を捉えるマルチ・ハウジング論研究にもとづく現代
ハウジング論史の多角統合的編纂による学術的貢献」により住田昌二氏(大阪市立大学名誉教
授/福山市立女子短期大学名誉教授)、「建築物の長寿命化に資する建築防水技術の体系化、
および建築防水に関わる研究・教育・産業領域への社会貢献」により田中享二氏(東京工業大
学名誉教授)、「建築火災安全工学の体系化および研究・教育・国際化活動に関する一連の功
績」により若松孝旺氏(東京理科大学名誉教授)の3名がそれぞれ受賞した。
大賞は、建築に関する学術・技術・芸術の発展向上に長年の業績を通じて、特に著しく貢献し
た同学会の個人会員を対象としている。
 
注目の学会賞(作品)は「太田市美術館・図書館」の平田晃久氏(京都大学教授/平田晃久建築
設計事務所)「長野県立美術館」の宮崎浩氏(プランツアソシエイツ 代表)「旧富岡製糸
場西置繭所」の齋賀英二郎氏(文化財建造物保存技術協会)、斎藤英俊氏(京都女子大学名誉
教授)、木村勉氏(長岡造形大学名誉教授)の3作品が受賞した。
「太田市美術館・図書館」は、散らばる諸機能がそのシティスケープに単に顔を出す以上に互
いに濃密に関係性を作り、小ぶりな規模を逆手にとって建物全体が美術館や図書館、イベント
スペースに変容する感覚がある点など、その内なる都市性が非常に高い次元で結晶していて、
時代を画する作品であることが高く評価された。
「長野県立美術館」は、建築単体のみならず、周辺の風景や歴史、文化や社会、暮らしと密接
なつながりをもった“生き続ける環境”の創出を実現した建築であり、大きなつながりと大きな
風景に真摯に向き合い、設計者自らが丁寧に、そしてあくなき探求を積み重ねた作品であるこ
とが高く評価された。
「旧富岡製糸場西置繭所」は、建物の履歴と持続の条件をいずれも否定せず抱擁する思想へと
舵が切られ、その上に創造的なデザインの可能性が探求・検証され、新しい保存思想が国・自
治体の関係者や専門家・技術者らによって共有され、高度な水準で具現化されたことが高く評
価された。

 太田市美術館・図書館 撮影:Daici Ano

 太田市美術館・図書館 撮影:Daici Ano


 長野県立美術館 撮影:北嶋俊治

 長野県立美術館 撮影:北嶋俊治


 旧富岡製糸場西置繭所 撮影:加藤純平

 旧富岡製糸場西置繭所 撮影:加藤純平