竹中工務店がVRで音響と内観仕上がりを
同時体験するシステムを開発
2022.12.06
竹中工務店は、建物の設計段階で、臨場感のある音響と内観の仕上がりイメージを同時に疑似
体験できるVRを用いた可搬型音場シミュレーターを開発した。同シミュレーターは以前同社が
開発した室内音場シミュレーターによる音の再生とVR映像を同期させるシステムで、2つの機
能を持つ。その1つの“高臨場感可聴化システム”は、各スピーカーから耳の入口までの音の伝わ
り方を解析して音を合成し、ヘッドホンでの試聴を可能にした。ヘッドホンに9軸の動作検出セ
ンサーを搭載。頭の動きや向きを常に追跡しつつ、音をヘッドマウントディスプレイのVR映像
に同期させる。これにより、あたかもその場にいるような臨場感のある音響と内部空間の仕上
がりイメージを同時に疑似体験できる。もう1つの“動的可聴化システム”は、VR空間内を自由
に動き回り、建物内の移動に伴うシーンの変化を音と内部空間で同時に体感可能。高品位な音
響が必要ないオフィスや店舗などでの人の動きや会話の音の聞こえ方を再現できるのが特長だ。