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新旧技術の余白
2026.07.23
パラメトリック・ボイス SUDARE TECHNOLOGIES 丹野貴一郎
毎年二回出張するベトナムですが、今回の出張では少し余裕があったので中部にあるホイアン
という街に行ってみました。
ホイアン市(会安市、ホイアンし、ベトナム語:Thành phố Hội An / 城庯會安)とは、ベト
ナム中部クアンナム省の都市であり、ダナン市の南方30キロ、トゥボン川(ホアイ川とも呼ば
れる)の河口から7kmほど遡った場所に位置する古い港町である。人口は約120,000人。ファ
イフォ 、フェイフォ(Faifo、費福)と呼ばれたこともある。15世紀から19世紀にかけて東南
アジア屈指の貿易港として栄えた。中国人街を中心に古い建築が残り、1999年(平成11年)
に「ホイアンの古い町並み」としてユネスコの世界文化遺産に登録されている。旧市街とチャ
ム島(ベトナム語版)は、2009年よりユネスコの生物圏保護区にも指定されている。
(Wikipediaより)
黄色い壁の街並みに様々な色のランタンが多く灯され、観光地としても人気なのですが、観光
客が多く訪れるスポットとして、来遠橋という石橋があります。この橋は通称“日本橋”と言わ
れ、ベトナムの紙幣にも印刷されているくらい有名な橋です。
当時ここには中国人街と日本人街があり、そこを往来するために日本人街の商人たちが建てた
ため日本橋と呼ばれているそうです。橋には日本の木造建築技術を取り入れた屋根がかかって
おり、2023年から2024年にかけて修復した際にはベトナムと日本の修復チームによって工事
が行われたそうです。
デジタル技術は日本が海外から学んでいることがおおいですが、このように日本の建築技術が
役立っているのを見ると、建築に係る人間として誇らしいものです。

場所は変わり、ホーチミンではバイクが多くの市民の足として使われています(ベトナム他多
くの東南アジアの都市ではそうなのですが)。
近年では諸々厳しくなり交通ルールは守られることが多いのですが、いまだに歩道を走行する
バイクもいます。特に駐輪スペースが歩道になるため、多くの歩道はバイクにより占拠されて
いるのが日常の光景です。
ベトナムの歩道はただでさえ20~30cm盛り上がっていたり、穴が開いていたりと非常に歩き
にくいのですが、駐輪バイクによりさらに歩きにくくなっています。中心部の飲食店やビルの
前には来客者バイクの監視員が座っていて、整列・盗難監視をしているのですが、ぎゅうぎゅ
うに並べるため入り口以外はほぼ埋まっていることが多いです。
もちろん、バイク用の大型駐輪場などもあるのですが、歩道に止められないような場所に通っ
ているひとたちが使っているようです。


このバイクも歩道のボコボコの原因のひとつで、他には街路樹の成長が早いため太い根が舗装
を持ち上げてしまうことや、サイゴン川のデルタ地帯で地盤が軟弱なため雨季の雨や地下水で
沈下したりすることも原因だそうです。
そもそも歩道が日本とは役割が異なり、歩行者が歩く以外に先ほど書いたとおりバイクの駐輪
場、屋台を出す場所、飲食店の座席など、様々な用途の境界としての“余白”としての役割を
持っています。
日本も昔はそうだったように、発展していく過程の都市ではこのような“余白”があることが重
要なのかもしれません。
最後に急に話が建築のデジタル化になりますが、ある意味では成熟していた建築技術に急激な
デジタル化が交わって発展することを目指しているなかで、この“余白”を作っていますか?
おそらくは多くの人が急激な変化には対応できないため、“余白”がないとそこに強引な境界線
が引かれてしまい、境界線に分断された人や技術は交わることが難しくなります。
個人的には境界線を引いてでも進めるべき時もあると考えていますが、余白をうまく使いなが
ら発展していけば、意外とうまくいくこともあるのではないでしょうか。


























