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ミクロとマクロの世界をみる
2026.05.19
パラメトリック・ボイス SUDARE TECHNOLOGIES 丹野貴一郎
量子力学の有名な実験で二重スリット実験というものがあります。
簡単に説明すると、光子や電子などの粒子を二つのスリットへ向けて発射すると、背後にある
スクリーンには二本の筋ではなく波の干渉縞と同様の縞模様ができました。
粒子を一つずつ発射しても同様の結果となったため、粒子と波の両方の性質を持つことが分か
りました。
ここからが不思議なところですが、スリット通過時にどちらのスリットを通るか観測したとこ
ろ、干渉縞模様ではなく二本の筋になってしまいました。

上記はGeminiで作成
ここからは専門家ではない私の考えなので、間違っていたらすみません。
ここでいう観測とは人間がみたりカメラで撮ったりすることとは意味が異なり、例えば光が当
たったり熱が発生したりすること、つまり他の何かと影響を与え合ったりすることを指します。
相互協力関係にあるスリットAを通る電子とスリットBを通る電子(これらの電子は二つで一つ
という状態)がお互いに干渉しあって干渉縞をつくっていたものが、どちらかのスリットを通
る電子が観測される(他からの影響をうける)ことによって、相互協力関係が崩れ干渉しなく
なったため二本の筋になるのではないかと思います。
言い方を変えると観測された方の電子の情報と観測されなかった方の電子の情報は無関係とな
り、観測者は観測した方の関係性しかないため、無関係となった観測されなかった方は観測者
のわからない世界に行ったとも解釈できます。
これをミクロとマクロという観点で考えると、粒子が周囲との関係のないミクロな世界では波
をとらえることができるが、観測という他との関わりを持つマクロな世界では粒子の相互関係
が崩れ粒としてしか振舞えなくなり波をとらえることができなくなったと言えます。
同様の話でシュレーディンガーの猫という思考実験があります。
愛猫者の私的にはそのまま説明することができないので、虫として説明すると、半分の確率で
殺虫剤を噴出する装置と虫を一緒に箱の中に入れた場合、箱を開けて観測するまで虫が生きて
いる状態と死んでいる状態が同時に存在するという理論です。
これは思考実験といいながらも、観測するまで状態が確定しないという量子力学の考え方に対
する皮肉でした。
ミクロの粒子の状態が決まっていないからといって、マクロの世界である虫の生死まで箱を開
けるまで決まらないというのは、観測というものが人間の認識によるものという誤解によって
おきる理論で、人間の認識を主軸におくと物理的ではなく哲学的な話になってしまいます。
今回はいつものコラムとは異なり難しい話を書いてしまいましたが、ミクロ視点で考えたこと
とマクロ視点で考えたことの違いで意見がまとまらないような場面はよく見る光景です。
例えば、BIMをどう活用していくかというときに、黙々と入力するBIMオペレーターの見る世
界(ミクロの世界)と方針を決めるマネージャー側が見る世界(マクロの世界)では見えるも
のが違います。
オペレーターにとってはBIMの様々な機能や入力方法によってBIMの中に閉じた複数の顔を持
つものですが、マネージャーは“観測”によって他との関係を考えたときに必要な答えを出そう
とします。
この“観測”を個人の認識に頼ってしまうと哲学的な答えがでてきて、ある場面では(箱の中の
虫の生死が同時に成り立つように)収束できずに方針が定まらなくなってしまいます。
他の影響を受けない粒子が孤立した状態を作るための方法に、逆にたくさんの粒子をもつれさ
せて一つの大きな波として扱う方法があるそうです。
BIMに限らず様々な技術(ミクロの世界)の活用を考えるときには、自分自身の哲学的な認
識により過ぎず、冷静にその関係性を“観測”し、様々な技術を大きな波としてとらえると見え
てくる世界(マクロの世界)が答えなのかもしれません。

























