BIMの日2021シンポジウムにて
2021.03.04
パラメトリック・ボイス ジオメトリエンジニアリングラボ 石津優子
2021年2月17日(水)に日本建築学会 情報システム技術委員会が主催する「BIMの日2021シ
ンポジウムイベント」に登壇してきました。私が参加したのは、第2部 BIMの再定義~BIMっ
て何でしたっけ?というテーマで「あなたにとってのBIMとは何ですか?」に応えていただく
かたちで、これまでの BIMの取り組みや、それを通じて得たBIMに対する気づきについて語る
という内容でした。登壇者は、山梨知彦氏(日建設計)、関戸博高氏(スターツコーポレー
ション/Unique Works)、中沢英子氏(大林組)という豪華な方々で、私がBIMに対する意見
を語る資格があるのかどうか不安に思うところもありましたが、キャリア的には国内も外資も
大小の企業をみてきた経験はあるのと、現在は不動産から建設、設計事務所まで色々なところ
のDXの取り組みを拝見する機会が増えたので、それらの経験からディスカッションができれば
と思い、参加しました。
私がこのようなシンポジウムや意見交換会で意識しているのは、国際的に活躍するあるBIMコ
ンサルタントに言われた言葉を大切にしています。「BIMに関わると自分よりキャリアが
何十年と違う、経験者や権威がある方々と話をする機会が増える。自分の意見なんて役に立た
ない、間違っていると感じて、意見をその人たちに合わせたくなることはあるが、今あなたが
経験しているものもリアルで真実だから、間違っているかどうかじゃなくて、恐れずに意見を
言った方がいい。その権威ある方々は、意外にも意見に耳を傾けてくれるものだよ」と言葉を
かけてくれました。
既にBIM元年と言われた年から10年以上が過ぎました。それ以前にも、もちろん学問として
色々なところで、同系統の研究は何十年も前から行われてきたでしょう。今、盛り上がってい
るけど、何度も失敗してきたものなんだと長年BIMに携わる方々に言われる機会も増えました。
その中で、老舗企業のような組織に属している人たちはまだ失敗を経験したことない人たちと、
経験者たちと一緒に同じ方向を目指していかないといけません。信頼関係を確立し、立場に関
わらず意見を言うという努力を私たち全員がしていかないといけないのではないかと改めて感
じました。
最近はIT技術を建設や建築、不動産の実践に繋げた色々な会社が一斉に出てきています。まだ
何に使えるか目に見えないところに投資するようなものは少ないですが、実際に使える形まで
落とし込むのは得意な会社が多く、数年でここまで変わるものだと驚いています。
ディスカッションの中で山梨さんが「今だ」と思う理由はなぜかと全員に質問する機会があり
ましたが、断続的に見える取り組みでも継続していてそれらが今芽を出し、ようやく冬を終え、
春を迎え始めているのだと思いました。この変革期に、仕事ができるということを楽しみつつ、
これからの10年、20年後もこの業界で仕事ができることを願っています。