建築情報学会「Fes(フェス)」に集え
2022.03.10
パラメトリック・ボイス
東京大学 / スタジオノラ 谷口 景一朗
2020年に活動を開始した建築情報学会の設立1年目の節目にあたり、2/25(金)~2/28(月)
の4日間にわたって建築情報学会WEEK 2022が開催された。すべてオンライン・ベースで開催
されたイベントでは、年次学術交流大会ラウンド・テーブル・セッション(Annual Academic Conference)や建築情報学生レビューなど、多方面の方々が研究の成果を発表したり議論をし
たりする場が多く設けられ、どれも刺激的なやり取りが繰り広げられていた。その中で、筆者
は2/27(日)18:00~19:30に配信されてた「フレッシュマンキャンプ(クリックすると
YouTubeへリンクします)」に登壇した。
フレッシュマンキャンプの前半では、これまで「建築情報」に関する幅広い知識やスキルを学
ぶ機会およびノウハウの共有を目的として進めてきた育成活動の一環である「Session(セッ
ション)」の振り返りが行われた。2021年4月に始まったSessionは、毎月講師が入れ替わる
形式で2022年1月までに総勢9名の講師を迎え、建築情報学に関わる幅広い学びを、セッショ
ンという名の通りリアルタイムでの掛け合いを見せながら提供してきた。YouTubeの建築情報
学会チャンネルでは各講師の初回Sessionが公開されており、建築情報学会会員以外の方でも
自由にご覧いただけるので、ぜひお時間のあるときに眺めてみていただきたい。ちなみに学会
会員になるとすべてのSessionのアーカイブにアクセス可能となるので、興味のある方はこの
機会に入会を検討いただきたい。動画を見ていただくとわかる通り、非常に多岐にわたるテー
マが各Sessionの中で語られており、「建築情報学」の分野横断性が顕著にあらわれている。
興味のあるテーマを集中的に聴講するのも良し、幅広く全体を眺めるも良し、それぞれのスタ
ンスでSessionのアーカイブを楽しんでもらいたい。
フレッシュマンキャンプの後半では、建築情報を主語に様々なバックグラウンドを持つ参加者
が建築や情報について考え、アウトプットをしていく場として今年4月に開催が予定される短
期集中型ワークショップ「Fes(フェス)」の紹介が行われた。先述の通り、分野横断的であ
る建築情報に関わる社会人と学生の接点を作り出すことで、情報技術の発達により起きている
「建築の思考」や「設計の方法」の変化に対応し、考え方を学び、視野を広げる建築情報教育
の土台をつくることがFesの最大の目的である。コンピュテーショナルデザインを行う上では、
与条件を読み解き、何が「パラメータ(変数)」と成り得るかを見極めることが最も必要とさ
れるスキルである。社会人による3日間の「Thinking」と学生による5日間の
「Coding + Making」という2部構成とすることで、どのような視点で課題や制限を変数に置
き換えてデザインをするのか、さらには本来変数とはならないようなものをどのように変数と
して捉えるのか、といった視点を学ぶ場としていただきたい。Fesは4/22(金)~4/29(金)
に開催決定、課題は「建築情報学会のグラウンドを考える(Thinking)」「建築情報学会のグ
ラウンドをデザインする(Coding + Making)」、その他詳細については、後日建築情報学会
Webサイトに3月上旬に掲載予定である。我こそは、という学生および社会人の方々の参加を
お待ちしています。