デジタル社会で発展iPS細胞
2023.09.20
ArchiFuture's Eye ARX建築研究所 松家 克
猛暑の初夏、テレビの特集番組「ガイアの夜明け」で「iPS細胞の今」の報告があった。
建築とは、何か異なる世界を垣間見る思いがしたが、心に印象深く残る余韻があった。小生
も「耐震強度構造計算書偽装事件」の際にコメンテーターとして急遽、出演したことがある
が、「ガイアの夜明け」は以前から好きな番組。
最近の報道は、COVID-19やウクライナ侵攻、気候変動による台風/豪雨などの世界的な自然災
害、カナダ/ハワイの山火事、トルコ/モロッコの地震、中国/リビア大洪水、日本政府のデジタ
ル系での多くのミスなど、心が沈むと共に悲しく腹立たしいニュースが多い。この環境下で、
明るく前向きな出来事やイベントも続いている。W杯でのバスケットやラグビー、男子・女子
サッカー、WBC、野球U18W杯での活躍。そして大谷の大活躍、女子やり投げ世界一の北
口、生成AIのオープン化や3Dプリンター建築などを思いつくが。何とスポーツ関連が多い
ことか、と改めて感じる。アートやデザイン領域では、アートで街づくり・地域おこしなどが
進められてはいる。チームラボやライゾマティクス、グルーオンなどのアートな活躍も著しい。
片や建築関連の最近は世界で活躍する若いスーパースターが見えない、若者、頑張れ!・・・・。
このもやもやの中で何か最先端の明るいことをと考えていたら、先述のガイアの夜明けでの
「iPS細胞の今」である。iPS細胞の研究範囲は、今も拡大し続けている。
感染症は、誰にもかかり得る。だが、難病と呼ばれる何万人に一人か、それ以上の高い率で発
症する病気がある。この限られた患者の治療薬を開発している製薬会社や研究者もいる。
iPS細胞もその一役を担っているといえる。
iPS細胞の研究領域は、パーキンソン病、心不全、加齢黄斑変性、角膜上皮幹細胞疲弊症、
脊髄損傷、関節疾患、癌、白血病、肝不全、糖尿、腎不全などの治療へと拡がりを見せ、各種
治験も進んでいるという。
医療分野のデジタル化は、書類・カルテやIT、AI診断、ロボット手術などで進化している
と考えられる。
慶應義塾大学病院では、小さく丸めたiPS細胞の新球筋を心臓に埋め込む治療法を開発。心
臓病の新治療法の治験中で結果は良好だという。実現間近と言われる内視鏡AIなども目新し
い。このコロナでオンライン診断治療も実現した。小生もオンライン診断アプリが入っている
が、利用したことは今のところない。コロナ接種証明やマイナンバー・健康保険がデジタル化
中といえるが、まだまだ、混乱しているようだ。
iPS細胞は、日本人が受賞した多くのノーベル賞の中でも特異で、素晴らしい研究結果だと
の印象がある。人類にとっても画期的な発明、発見と生成であると考えている。神の世界?や
ダーウィンの進化論にも匹敵するものではないか。併せ、物議を投げかけたクローンとは一線
を画すると考えている。
インターネットなどの情報によると、iPS細胞は、2006年に京都大学の山中教授によって生
成された新しいタイプの多能性幹細胞。iPS細胞は「人工多能性幹細胞=Induced
pluripotent stem cell」の略名で、皮膚や血液などさまざまな細胞に分化する能力を持つとい
う。体の全細胞は受精卵が元。通常は特定の細胞に分化すると元の状態に戻ることはない。
iPS細胞とは、体の細胞に特定の遺伝子を導入し、受精卵に近い状態に戻すことで、さまざ
まな細胞に分化と無限に増殖する能力を持たせた細胞。因みに、「リプログラミング」とは、
人工的に体細胞を多能性幹細胞に誘導することだという。iPS細胞関連研究には、近い未来
に難病や治療が難しい病気に有効な治療と願う気持ちは、強い。同じ志を持つ多くの方のクラ
ウドファンディング寄付が重要で実施中だという。
医療系も日本社会のデジタル化と共に大きな転換期にあると言え、建築環境とは異なるが、生
成AIなどと共に次世代の更なる発展と明るい未来を期待している。
最後に、病気でもなく命にも関係が無いので、研究者は少ないと考えるが、薄毛、俗にいう禿
頭がiPS細胞で治療できるのではと考え、頭が気になる小生がいる。