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国土交通省が小規模なプロジェクトも対象に
国費60億円で建築BIM加速化事業を引き続き実施

2024.01.23

国土交通省は、令和5年補正予算の成立を受け、国費60億で「建築BIM加速化事業」を引き
続き実施することを発表した。
 
建築BIM加速化事業とは、建築BIMを活用して一定の要件を満たす建築物を整備するプロジェ
クトにおいて、BIMソフトウェアやBIM講習といった設計費および建設工事費を国が補助する
もの。中小事業者が建築BIMを活用する建築プロジェクトについて、建築BIMモデル制作費な
どを支援することにより、建築BIMの社会実装のさらなる加速化を図ることが狙いだ。
同事業の補助額は、延床面積に応じた定額で、補助上限額は、設計費が3,500万円、建設工事
費が5,500万円。対象者は民間事業者などの設計者または施工者となっている。補助要件とし
ては、元請事業者などが、下請事業者などによる建築BIMの導入を支援することや、同事業に
より建築BIMを活用する全事業者が「建築BIM活用事業者宣言」を行うこと、大規模な新築プ
ロジェクトでは、BIMモデルの活用により業務の効率化または高度化に資するものとして、国
土交通省が定める利用方法を用いるものであることなどがある下請事業者だけでなく、代表
となる元請事業者も補助の対象だ。

 Ⓒ国土交通省

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なお、この補助要件は、令和4年度補正予算の補助要件からいくつか見直しが行われている。
まず、プロジェクトに係る地区面積・延べ面積がともに1,000㎡以上かつ階数が3以上という
面積要件・階数要件が廃止され、これにより、小規模なプロジェクトにも対象を拡充し規模
によらず活用が可能となった。さらに、新築プロジェクトに加え、既存建築物の改修に係るプ
ロジェクトが新たな支援対象となっている。一方で、地区面積・延べ面積がともに1,000㎡以
上かつ階数が3以上の大規模な新築プロジクトについては業務の効率化または高度化に資
するBIMの活用を行うことが新たに要件化された。
また、運用改善として、協力事業者がプロジェクトの実施に係る環境整備をBIMコーディネー
ターに直接委託する場合の費用と、協力事業者が実施するBIMモデル作成以外の、元請のBIM
マネージャーとの調整などに要する費用も、それぞれ1事業者当たり100万円を上限に、新た
に支援対象となった。

 Ⓒ国土交通省

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同事業の代表事業者登録の公募は、今月から既に開始しており、交付申請は、本年4月から受
付を開始する予定だ。また、交付対象となるのは、2025年3月末までの基本設計・実施設計・
施工のBIMモデル作成費で、完了実績報告期間は、本年12月から2025年2月までの予定となっ
ている。なお、補助金額については、完了実績報告までの成果に応じて、決定・交付されると
のことだ。

 Ⓒ国土交通省

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