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コラム

自然が蓄えた圧倒的なデータの利用と“AI”(前編)

2024.06.18

ArchiFuture's Eye               ARX建築研究所 松家 克

深い警鐘も含めて、子供時代を通じた自然体験が、デジタルスキルをベースでの創造活動に
とって重要と感じているかを記述したい。子供時代を文化面は譲るとしても単一で喧騒な都会
やデジタルゲーム中心で育つとすると、魑魅魍魎の中で驚きを感じ、見たこともない生物と触
れあうことなどの自然体験が乏しくなる。自然体験がないと創造する内容も陳腐になるかもし
れない。そこで、敢えて、冒頭からIT、CAD、BIM外の自然体験内容から始める。ゲームから
生まれるだけの創造性には偏りがあるが如何なものか。併せ、見たことがなく体験したことも
無い海外での経験や異文化との触れ合いもデジタル系を問わず、創造活動での判断基準として
重要と考えている。自然や実体を観察してエスキースやスケッチをしながら地球や重力、形、
自然、光・影の流れ、音などを感じながら観察し具現化する。この演習や訓練も重要だと考え
ている。自然が蓄えているコンテンツやデータは圧倒的に多い。この自然データを分析し判断
するAIもある。気象予報や花や昆虫などの名前を知るアプリはそれに当たらないか。そこで先
ず、自然体験からデジタルとの関連を探ってみたい。
デジタルと昆虫、縁薄く遠いのか!昆虫は地球の仲間なのに苦手な人が多い。しかもSDGs
や自然中で重要な昆虫とデジタルの関係が見えない。現在の地球危機や閉塞感が蔓延故に、敢
えて再認識と学習を試みた。5月22日は“博物誌”を記した作家ルナールの命日で「国際生物多
様性の日」記念日。地球は“水の惑星”“蟻の惑星”“昆虫の惑星”と呼ばれる。
 
四季を通じた自然との触れ合い。前篇の春と夏。
年始めの紀伊半島。南紀白浜での子供時代は年賀と屠蘇、関東風四角と関西風丸餅で食材も異
なる日替り雑煮。手造り節料理の重箱に温泉地特有の仕出し料理。親父取寄せの数の子が旨
かった。今も好物。年祝いと年玉、初詣、年賀状、百人一首、双六、福笑い、カルタ、トラン
プ、凧揚、書初め、みかん、掘炬燵、初夢などで新年スタート。床の間には、お袋の初生け花
と鏡餅、掛け軸、三味線、お琴。暦は水餅や1月11日の鏡開きのゼンザイとカキモチと続き、
御袋が歌いながら作る七草粥や竹藪鶯“笹鳴きチャッチャ”新芽、新緑、幼稚園に寄贈した古雛
壇飾りの雛人形や菱餅、雛アラレ、桃の花と姉達で映える雛祭りと、時は速く流れた。
水微温む春。自然との触れ合いが始まる。水田にはオタマジャクシやメダカ群。梅に続き桜が
咲き始め小川や池にはコブナやタニシ、イモリ、アメンボ、ゲンゴロウ、ヤゴ、ザリガニ、サ
ワガニ、蛍の幼虫、カエル類、ナメクジなどが姿を見せ始め、餌のミミズで、まったりとヘラ
ブナ釣り。浜辺での砂遊びや稚魚のシラスウナギ採り。レンゲやクローバー、種袋が草笛にな
るシビビー=カラスノエンドウ、噛んで味わうチガヤやスカンポ=イタドリ、フキ、ドクダミ、
ツワブキ、ハコベ、タンポポ、スミレ、ツユクサ、山椿、山ツツジ、蛇イチゴ、山フジ、アザ
ミ、山アジサイ、野山椒、ほぼ、数十年に一度の周期で花が咲き実をつけ枯れる熊笹(一度だ
けイネより少し大きな花と実を見た)などの新芽と花。花リングや押花、草笛、トリモチ木皮
を剥ぎ叩き水洗い後、細竹に巻き、今は禁止のメジロ採り。メジロや鶯、トンビ、モズ、カラ
ス、ヒヨドリ、キジなどの鳥が住む林や野原で蕨や蕗、土筆、ゼンマイ、ヨモギ、ヤドリギ、
蟷螂ふ化今は絶滅危惧種ミノムシ研究例が多いナナフシ、殿様バッタ、カナブン、黄金虫、
ダンゴムシ、ナメクジを探す。暖竹のアセと松に囲まれ大きな谷に続く相応な二段畑に、東京
で生まれ育った御袋がプロに教わり植えた多彩な野菜類。雨後は大根やイチゴ、トマト、キュ
ウリウリマクワウリ、ナス、ニンジン、ダイコン、カブ、ホウレン草、サラダ菜、レタス、
パセリ、エンドウ、インゲン、小豆、ソラ豆、ゴマ、ピーマン、サトウキビ、トウモロコシ、
タマネギ、長ネギ、カボチャ、サツマイモ、ジャガイモ、里芋、キャベツ、白菜、生姜、ゴボ
ラッキョウニンニク、獅子唐辛子、赤・青シソ、落花生などが芽を出す。接木桃1本畑に
数羽鶏小屋、裏庭に犬小屋とメダカや鮒、金魚、泥鰌、小亀が泳ぎ睡蓮が咲く手造り小池。正
に絵画の田舎風景。だが、茅葺ではなく時々ペンペン草が生える南国風赤瓦屋根。
学校からの帰宅後、自然遊びに直行。遊びは記憶に残り学習記憶は薄い。昼間は、端午節の鯉
幟や柏餅、菖蒲湯から名勝白良浜や岩場、断崖絶壁の三段壁、断崖で殆ど人が来なく小滝と吊
橋がありプライベート的で白砂浜の大谷や湯ノ谷入江での泳ぎと釣りや素潜りで天草や鮑、ナ
ガレコ=トコブシ、シッタカ、伊勢海老、豆蛸、小海老、蟹、岩カキ、大蛤、浅蜊などを採っ
た。短竿と大きな針でのウツボ釣りもスリルがあり楽しかった。水中メガネで色鮮やかな熱帯
魚や潮だまりの小魚を観察テーブルサンゴやカツオノエボシ貴婦人と呼ばれるミノカサゴ、
アカエイにも出会貝殻や流木品も楽しんだ今年は5月3日が本州で最初の白良浜海開
き。時に友達とメンコや独楽ホッピングケン玉缶けり釘立て、日光写真、ビー玉、ヨー
ヨーフラフープ相撲卓球、キャッチボール、野球、模型飛行機・船、ポンポン船、紙飛行
機、紙鉄砲、手造り水鉄砲、竹笛、チャンバラ、秘密基地、輪ゴム合戦、幻燈会、紙芝居、粘
土細工、自転車などで遊んだ。鯉幟が泳ぎ、ニイニイ蝉が鳴き、蟷螂孵化、浜昼顔、笹ユリも
咲き、鳶と高いホバリングで甲高く囀る雲雀。夜は近所家族と“ホッホッ蛍来い~♪”歌いなが
ら蛍狩。


夏の自然と遊び。七夕が過ぎ7月中旬からの午後は、浜木綿と昼顔が咲く白良浜の松影で褌を
締め学校の水泳時間。
夏休みは、向日葵が咲き湯煙と小学校の温泉風呂、鉄棒、ブランコ、土俵などがあり、松に囲
まれた学校の早朝ラジオ体操や跳び馬。“シャンシャンシャン~♪”と煩いクマ蝉、大蟻の巣、
蟻地獄、足長蜂巣造り。自庭の花々、タチアオイ、オミナエシ、ゼラニウム、オリヅルラン、
ベゴニア朝顔昼顔、夕顔、糸瓜、クロアゲハが好きなダリア、グラジオラス、キンセンカ、
ナデシコ、アマリリス、ケイトウ、サルビア、マリーゴールド、マツバギク、アヤメ、チュー
リップ百日草オシロイバナ、ハッカ、睡蓮、アロエ、リュウゼツラン、サボテン、バナナ、
ミカン、三宝柑、夏ミカン、石榴、蘇鉄を楽しむ。真っ赤なカンナに毎日訪れる大きなクロア
ゲハや美しいアオスジアゲハ、キアゲハ、シジミ、モンシロなどを観察し、珍蝶が来るとシン
ガーミシンと黒い扇風機がある縁側で喜喜としていた。刺されると痛痒いアブや蚊、ブヨ、蚊
取り線香、蛍を放し楽しむ蚊帳も夏。匂いや姿は覚えていても名前を忘れた花や虫が悔しい。
夏日射や入道雲、スコール的雨も好きだった。
高い入道雲と時に四国島が微かに見える沖合の竜巻。麦藁帽子と昆虫網は必須。網やガボ=
チャバネセセリ蝶と蜻蛉でトンボ採り。磯で釣餌やコマセのフジツボやゴカイ、フナ虫、ヤド
カリ美味い亀の手などを採りイガミ=ブダイやギッチョ=イスヅミウツボ、ガシラ=カサ
コッパハゲ=カワハギバリコ=アイゴ幼魚アジなどを釣り、夕暮れの埠頭でチカラ=カ
ゴカキダイやグレ=メジナ、ベラ、ゴンズイ、イナ、フグと釣り暮れた。幼友達は、三段壁で
30キロ級のクエ夜釣りを最近まで楽しんでいた。
ワクワクする白良浜夕涼み大花火、先頭で踊る御袋が恥ずかしい白良浜の盆踊り。漁火、送
り火と精霊船流し、金魚・ヨーヨー掬い、綿飴、駄菓子、墓・お化け屋敷で肝試し。朝はラジオ
“お話でてこい、ドンドコドン~♪”「お話おじさん」「お姉さんと一緒」 “ハウハウハウ~ハウハ
ウハウ~、インデアンじないんだよ♪”「ものしり博士ケペル先生」“ササァ音楽♪”
「音楽夢比べ」に夢中。風の廊下で昼寝後、山や野原、小川、池、林、海遊び。おやつは9時と
15時。毎日、イースト菌を元に造っていた手造りパンや動物型クッキーの餌などで帰宅させ
安否確認。ほぼ毎日、日没とクラゲ発生の9月中旬迄、泳ぎ遊び呆け、時々、遠泳。疲れると
海や池でノンビリ釣り三昧や寝転がって日光浴。飽きるとギンヤンマやシオカラトンボ、糸ト
ンボ蝸牛野バラ、カブトムシ、クワガタ、蝉、スズメバチ、黄銅鉱探し。コガネ蜘蛛相撲。
松新芽推進笹葉小舟。夜は磯蟹採り。断崖波音で目覚め早朝は羽化蝉探索、カブトムシ幼虫を
腐葉土で変態観察時々蒔割り。遊び捲る活動的な夏。写生や宿題を8月末に慌てて纏めて、
坊っちゃんと呼ばれていた頑固で腕白時代の夏遊びは終わる。
 
話は跳ぶ。生成AIと自然で感じることはゲームの中での偽自然と、大きく多様で多彩な実自
然を体験した時のAIによる似非情報の見分ける判断力が、異なってくると考えられる。人間が
判断する自然体験の基本情報量が圧倒的に異なるが、光や音、風、温度などを感じながら判断
する場合と体験していない時とは、自ずと異次元となるのではないだろうか。
OpenAIが日本拠点を発表。現在、“ChatGPT”ユーザーは世界で1億人以上、日本で746万人
以上。スマホとの連動も進み始めている。今後、日本発の生成AI発展があるか。純国産スー
パーコンピューター「富岳」は、東工大や東北大、富士通、理化学研究所などと共同で大規模言
語モデル開発を完了。ソフトのデータ構築からハードの半導体まで、全てを国内調達。富士通
ウェブサイトから無料使用出来るという。Microsoftは5月21日に、会議をAIで支援する
“Copilot”を発表反面フェイクAI画像やデータをAIでチェックすることも検討。規制や
著作権、人権侵害や犯罪対策が重要。医学応用や耳目の機能も進化中。フェイク情報よる詐欺
やデマには発信元の認証技術を検討中だという能動的サイバ防御の検討も遅きに失したが、
やっと動き出した。朝日新聞よれば、米スタンフォード大「人間中心のAI研究所」は、人間能
力を一部で超えたと伝えた。シンギュラリティともいえるが、併せ、AIが不得手な分野も見
えたという。日本ではスパコンで研究や実験を自ら提案するAIが登場したというが、真偽は
未確定。
2023年のAI開発グループ数は、米国61、中国15、フランス8、ドイツ5、カナダ4で、
日本は10位外。その中で日本は、特異な生成AIを目論んでいるようだ。併せ、今後の進化
には、安全で公平な評価方法確立が急務だ。政府は欧米に合わせ、可能な限りリスク低減を図
るなど法整備の検討に入った。米欧新聞社8社は、今後の安全思想で役員が対立したOpenAI
とMicrosoftを提訴SNSに機械偽者音声での投資詐欺もある。6月12日に容疑者が逮捕され
た。米国ではAIを発明者と認めない判例が出た。日本でも現在、協議中だという。欧州評議
会では国際条約を初採択。間をおかず、5月21日に欧州連合が、民主主義や人権、法の支配
を守りながら、信頼と普及を目的とした「AI法」を承認し成立。世界標準になる可能性がある
という。日米対応が急がれる。生成AIを悪用してウイルス作成。結果、5月28日に日本初
の逮捕者が出た。当分はイタチゴッコが続くだろう。OpenAI社は、5月30日にロシアや中国、
イラクイスラエルなどが生成AI"ChatGPT”をベースに作成したフェイク情報を他国の世論
誘導工作、操作などで日本を含めた世界に拡散していたと発表。アカウントを停止したという
が課題も残る善悪事例や裁判など紆余曲折を経て規則や責任罰則などが確立するのだろう。
今、AIの研究開発は、“汎用人工知能=AGI”“人工超知能=ASI”にベクトルは向かい、AIが
AIに指令を出し人間の能力を越えコントロールが出来なくなる可能性もあるという。進化と
共に安全性の思想と世界のコンセンサスが重要で国際的な監視組織の設立も急務。誤解を恐れ
ずに記述すると、この監視の中での可否判断では、衣食住にかかわる自然体験が重要となると
考えるのは的外れだろうか。最近では、スマホでの生成AIの展開も目覚ましい。
余談。三菱電機がAI搭載ロボットでルービックキューブのギネス世界記録0.305秒を達成と
発表。快哉!喝采!
(後編に続く)

松家 克 氏

ARX建築研究所 代表