国土交通省がBIM加速化事業に代わる
「建築GX・DX推進事業」の内容を発表
2025.03.03
国土交通省は、これまでのBIM加速化事業に代わる「建築GX・DX推進事業」の創設を発表し
た。同事業は、令和6年度補正予算5億円および令和7年度当初予算案65億円において実施さ
れる。
建築GX・DX推進事業は、建築物のLCAの実施によるLCCO2削減の推進(GX)と建築BIMの普及
拡大による生産性向上の推進(DX)を一体的・総合的に支援し、取り組みを加速化させることを
目的に、国が民間事業者などに費用の支援を行うもの。
同事業は、大きくわけて「BIM活用型」と「LCA実施型」で構成されている。
「BIM活用型」については2つの分類があり、 1つは“BIM活用を行う場合”でBIMの活用に要す
る支援を行うもの。
もう1つは“BIM活用とLCAの実施を合わせて行う場合”で、BIMの活用に要する費用の支援およ
びLCAの実施に要する費用の支援を行う。
また、「LCA実施型」については、LCAの実施に要する費用の支援を行うものとなっている。
Ⓒ国土交通省 ※上記資料は、2025年2月21日時点での内容のため、
今後変更が生じる場合があります。
さらに、BIM活用型とLCA実施型のそれぞれについて詳しく説明する。
BIM活用型では、BIMモデル作成に係る対象経費の2分の1を設計調査費および建設工事費とし
て補助する。補助対象経費は、BIMライセンス等費、BIMコーディネーター等費、BIMモデ
ラー費。
補助上限額は、BIM活用に要する費用おいては延べ面積に応じて設定されており、
30,000m2以上の延べ床面積では、設計費が3,500万円、建設工事費が5,500万円となっている。
BIMモデルを作成した上でLCAを実施する場合のLCA実施に要する費用は、1プロジェクトあた
り500万円。併せて、原単位の整備を行う場合は策定した一つの原単位などについて400万円
を加算するとしている。
なお、BIM活用型では、元請事業者等および下請事業者等は「BIM活用事業者登録制度」に登
録し、補助事業完了後3年間、BIM活用状況を報告することとなった。また、国土交通省が定め
る内容を盛り込んだ「BIM活用推進計画」の策定も補助要件となっている。
Ⓒ国土交通省 ※上記資料は、2025年2月21日時点での内容のため、
今後変更が生じる場合があります。
LCA実施型は、LCA算定に係る対象経費を補助するもの。LCA算定に要する費用、CO2原単位等
策定に要する費用が対象だ。
補助上限額は、LCAの実施に要する費用は650万円となっている。LCA算定に必要なCO2原単位
等も策定する場合の上限は、策定した一つ原単位等につき400万円を加算する(一事業者あた
り原単位等策定について加算可能な額は1,000万円まで)。
LCA算定に係る要件の中で、使用する算定ツールは、J-CAT標準算定法または詳細算定法、
One Click LCAなどが例に挙げられている。
LCA算定と合わせて、算定に必要なCO2原単位なども策定する場合は、LCAを実施する場合の
要件に加え、完了実績報告までに、策定事業者においてCO2原単位等を公表するといった要件
にも適合する必要がある。
Ⓒ国土交通省 ※上記資料は、2025年2月21日時点での内容のため、
今後変更が生じる場合があります。
同補助事業の活用を希望する設計事務所や施工業者は、補助金交付申請に先立って、電子申請
にて代表事業者(BIM活用型の場合)または事業者(LCA実施型の場合)の登録を行う必要がある。
代表事業者等の登録の公募は、すでに2月18日から開始している。
現在公募しているのは、令和6年度補正予算5億円で、期間は2月18日~3月31日24時まで。
令和7年度当初予算案65億円の代表事業者等の登録は、4月1日に開始予定となっている。
さらに詳しい内容については、国土交通省のWebサイトに掲載されている。
Ⓒ国土交通省 ※上記資料は、2025年2月21日時点での内容のため、
今後変更が生じる場合があります。