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ユーザー事例紹介

創立10周年を迎えAI×デザインの新事業
クリエイティブサービスを展開<フォトラクション>

2026.05.28

建設業の生産性を向上させるオールインワンの建設プラットフォーム「Photoruction」を提
供してきたフォトラクション。同社は、スーパーゼネコン出身の中島貴春氏が「建設の世界を
限りなくスマートにする」のミッションを掲げ、2016年に創業した企業である。
デジタルを通じて建設業の変革に取り組んできた同社は、2026年に創立10周年を迎えた。そ
の節目にあわせて、同年3月、新事業「クリエイティブサービス」をリリースした。この新事
業を機に、同社はツールの提供を中心とした事業から、建設テック×AI×デザインを核とした
テクノロジーを総合的に提供する企業への進化を加速させている。
今回代表取締役CEO 中島貴春氏と執行役員 社長室 室長の野﨑華弥氏に、新サービスの概
要や背景、狙いなどについて話を聞いた。

企業の個別ニーズにきめ細かく応える「クリエイティブサービス」
フォトラクションのオールインワンの建設プラットフォーム「Photoruction」。現在では幅広
い企業に導入が進み、40万を超えるプロジェクトで活用されている。
2016年に創業した同社は、Photoructionを通じて、高い技術力と幅広い知見をこの10年間で
培ってきた。そして、創立10周年となる2026年、建設業界の課題により深く寄り添うために、
新事業「クリエイティブサービス」を正式にリリース。これまで同社は、Photoructionという
ツールを中心にSaaS、AI-BPOを組み合わせたサービスを展開してきたが、今回の新事業の立
ち上げにより、事業構造を二本柱へと進化させる。
代表取締役CEOの中島貴春氏は、「スマホやタブレットが普及し、クラウド活用も当たり前に
なってきた中で、ニーズはより多様化しています。そのため、サービスを二本柱として展開し
ていくことで、当社が保有するデザインシステムや技術基盤を活用し、企画からデザイン・実
装・運用まで一気通貫で建設業界の多様化する課題をより手厚く支援できるようになります」
と語る。

 株式会社フォトラクション
 代表取締役CEO 中島貴春氏、執行役員 社長室 室長 野﨑華弥氏

 株式会社フォトラクション
 代表取締役CEO 中島貴春氏、執行役員 社長室 室長 野﨑華弥氏


クリエイティブサービスでは、「共創」「支援」「共研」という3つのモデルの提供形態が用
意されており、同社は、顧客の課題・目標・事業フェーズをヒアリングした上で、最適な提案
を行う。
「支援型」は、顧客企業が自社専用で使いたいシステムを、Photoructionの技術要素を活用し
て開発する受託開発モデル。図面の高速閲覧、国土交通省要領に準拠した写真撮影機能、AI活
用を前提としたデータ管理など、建設業向けに特化したモジュールを活用することで、ゼロか
ら開発するよりも短期間かつ高品質なシステム構築が可能になる。
「共創型」は、フォトラクションと顧客企業が共同で事業を行い、サービスを共に提供する形
態だ。第一弾として、福井コンピュータアーキテクトと共同開発した住宅設計クラウドサービ
ス「ARCHITREND ONE」がある。共創型は単なる連携ではなく、新ブランドを立ち上げるこ
とも可能で、これにより双方の強みを活かした価値提供を実現できるという。
「共研型」は、顧客企業がサービスを自社保有せず開発に投資し、完成したサービスは
Photoructionの新機能として提供されるモデル。投資した顧客は、その機能を安価にかつい
ち早く利用できるメリットがあり、クラウドファンディングに近い仕組みとも言える。中島氏
は「自分たちでサービスを作っていきたいけれど、自社の事業としては成立しにくく、保守運
営まで担うのは現実的ではない企業などに適した形です」と説明する。
クリエイティブサービスは現時点で、ゼネコンやメーカー、設計事務所、ベンダーやサービス
提供者など、幅広く引き合いが寄せられているという。なお、クリエイティブサービスの提供
モデルは3つとあるが、個別のニーズに合わせて最適な協力のかたちを提案していくため、内
容や料金、開発期間などはケースバイケースとなる。
 

 クリエイティブサービスは「共創」「支援」「共研」の3つのモデルの中から最適な形を提案

 クリエイティブサービスは「共創」「支援」「共研」の3つのモデルの中から最適な形を提案


AIとデザインを重視、テクノロジー提供企業としての強み
クリエイティブサービスの展開は、AIの進化によってソフトウェアのかたちや、使われ方が根
本的に変わりつつある中で、時代に即したサービスだと言える。クリエイティブサービスで重
視しているのは、「AI」と「デザイン」。そして、Photoructionの開発を通じて、同社が磨き
上げた5つの技術領域「AI、DATA、OPERATION、UI/UX、BIM」がサービスを支える。
中島氏は、今後のAIの進化を見据え、次のように語る。
「今後は、さまざまなSaaSにAIが組み込まれていくことで、さらなる生産性向上が見込まれ
ますこれからのシステム開発にはそうした変化を前提に設計していく視点が欠かせません
クリエイティブサービスは、AI時代への対応を進める企業にとって、良き開発パートナーとな
ることを目指しています」。
すでに共創型の先行事例として、前述にも挙げた福井コンピュータアーキテクトとの
「ARCHITREND ONE」の共同開発がある。これはPhotoructionとARCHITREND ZEROの連
携というかたちではなく、福井コンピュータアーキテクトの新製品として共同開発し、リリー
スしたものだ。
中島氏は続ける。
「この例のように、クリエイティブサービスではお客様のブランディングにも活用してもらえ
る提案を行っていきます。これまではITツールをメインに提供してきましたが、今後は、テク
ノロジー自体をお客様の課題に合わせて提供する企業へと進化していきます。そして、より細
かな課題の解決にも取り組んでいきたいと考えています」。この言葉には、10周年を機に明確
になった同社の新たな意思と決意が表れている。
執行役員 社長室 室長の野﨑華弥氏も、「ツールの利便性だけを追求するのではなく、お客様
が持つ技術や知見、データそのものをテクノロジーとして活用できるよう支援し、より広い建
設業界のニーズに応えていくことが、フォトラクションの目指す方向です」と新事業の展開に
ついて語る。
 

 Photoructionの開発を通じて実務で磨き上げた5つの技術領域

 Photoructionの開発を通じて実務で磨き上げた5つの技術領域


ものづくりの本質に集中できる環境を整え、建設テックを一つの産業へ
また既存のBPO事業においてもフォトラクションは専門性を高める取り組みを進めている
その一例が、「施工BIMビルダー」のベータ版だ。これは施工図とBIMモデルの作成を代行す
る、高度なBPOサービスで、現場からの指示のもと、施工図を作成して提供するだけでなく、
BIMモデルや関連サービスも提供する。BIMを扱える経験を持つ人材確保のために、パーソル
グループと協業を昨年9月から行っている。
現在は、数社限定でベータ版を運用中で、将来的にはPhotoruction上での図面・BIMの簡易閲
覧やAIを活用した作図効率化、さらにはPhotoruction内から直接選択・発注できるUIの実装
も視野に入れている。

 オールインワンの建設プラットフォーム「Photoruction」

 オールインワンの建設プラットフォーム「Photoruction」


10周年を迎えたフォトラクションが目指すのは、建設業界全体の生産性向上とつくり手がよ
り本質的な仕事に集中できる環境の構築だ。「IT業界では、開発手法がある程度標準化されて
きたことで、“何をつくるのか” “なぜつくるのか”という、ものづくりの本質により注力できる
ようになっています。それは本来、ものづくりにおいて非常に重要なことだと思いますし、建
設業界でも同じだと考えています。ものづくりに熱量を持ち、より多くのエネルギーを注げる
人を増やしていきたい。そうした環境をつくるために、建設テックを一つの産業といえるほど
大きくしていきたいです」と中島氏は抱負を語る。野﨑氏は10周年への感謝とともに今後の
方針を次のように述べる。「10周年は皆様のおかげで達成することができました。これから
もユーザーの皆様に寄り添いながら、サービス提供や新たな事業展開を進めていきたいと考え
ています」。
Photoructionのサービスが長年の実績を積み上げる一方で、フォトラクションはツールの提供
企業から、AIとデザインを核としたテクノロジー企業へと進化しつつある。クリエイティブ
サービスという新たな事業を通じて、同社は建設業界全体の変革をさらに加速させていく。

「クリエイティブサービス」の詳しい情報は、こちらのWebサイトで。