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熟成を見極める
2026.10.14
パラメトリック・ボイス SUDARE TECHNOLOGIES 丹野貴一郎
お酒を飲まない方にとってはよく分からない話かもしれませんが、ウイスキーというお酒には
五大ウイスキーと言うものがあります。
おそらく国や地域によって異なるのだとは思いますが、世界的生産地として、スコットランド、
アイルランド、アメリカ、カナダ、日本で作られるウイスキーのことを言い、スコットランド、
アイルランドが最も歴史が深く(どちらが発祥かは議論の余地がつきません)、次いでアメリ
カとカナダ、日本は他の4つの国に比べると歴史は浅いですが、味への探求心とこだわりで、
五大ウイスキーに数えられるほどのウイスキーを作り出しました。
それぞれ国や業界団体によって定められたルールに従っていないものは名乗ることができない
ものです。
ウイスキーは主原料として、モルト(大麦麦芽)などの穀物を原料とし、酵母や水を加えて作
られ、生産地以外に穀物の種類や製法により分類されています。
おおまかに言うと、スコッチ(スコットランドのウイスキー)、アイリッシュ(アイルランド
のウィスキー)はモルトもしくはそれにグレーン(トウモロコシなど)を加えたものを原料と
しており、アメリカン(アメリカのウィスキー)とカナディアン(カナダのウイスキー)はト
ウモロコシやライ麦を原料しています。
ジャパニーズ(日本のウイスキー)は「マッサン」というドラマを見ていただければ分かりや
すいですが、現サントリーの創業者である鳥井信治郎氏が作った山崎蒸留所から始まり、ニッ
カウヰスキーを創業した竹鶴政孝氏によってスコッチの製法にならって作られたものが現在の
ジャパニーズウイスキーにつながっています。
数十年前は日本でのウイスキーの人気はなく、どちらかと言うと海外のウイスキーに対して下
に見られていましたが、良くも悪くも近年では世界的に価値が見直され、当時からは想像もつ
かないほどに高い値段が付けられています(例えば居酒屋等でよく見るサントリーの角という
ウイスキーは、今となっては高級酒の部類に入る山崎というウイスキーを中心にブレンドされ
ていました)。
酒好きのため、ウイスキーのことを語り始めるとながくなってしまいますが、ウイスキーにも
表れているように外国から学んだものを突き詰めて、それらと争えるレベルまで作り上げると
いうことは日本にとって得意分野だったと思います。
ところが、現在日常でどのくらい日本の製品やサービスを使っていますか?
特にITと言われる分野において現在そのような感覚を持てている人は少ないのではないで
しょうか。
建築業界における技術もデジタル化が進み、多くは同様の状況にあります。
例えばBIMは日本発信で考え出したものではありませんが、世界基準に合わせることが目的
となり、日本の建築業界のワークフローに何とか合わせようとしている状況を数年経験したと
は思いませんか?最近では、どこかの国で発表されたAI関連技術を無理やり取り込もうとし
ていませんか?
飲食品は価格と美味しさで比較的分かりやすく各々の結果に結びつきますが、建築は何が良い
かは簡単には判断できません。場合によっては人間の寿命の間には正しい評価できないくらい
長きに渡って使われるものです。
確かに、現在の技術の進歩は文化の移り変わりが非常に早く、短い期間で結果を求められるも
のが増えていると思いますが、時間をかけて評価をするべきものはなくならないと思います。
ウイスキーは最低2~3年の熟成が義務づけられているのですが。ウイスキーとして出荷でき
る前の出来立てから数十年熟成させたものまでさまざまな楽しみ方があります。
建設ITの世界も新たな取り組みに対して、短い期間で見た成果と長く見た結果のそれぞれを見
極める余裕がなければ、次の世代に誇れるようなものは作っていけないのではないでしょうか。
自分が好きなものの歴史を見返してみると、今取り組むことの答えが隠れているかもしれませ
ん。




























