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ユーザー事例紹介

アドベンチャー施設の施工管理をクラウドで効率化
<プロジェクトアドベンチャージャパン>

2019.08.21

プロジェクトアドベンチャージャパン(以下、PAJ)は、アドベンチャーによる体験学習をと
おして、さまざまな教育プログラムを子供から大人まで幅広く提供する教育事業会社で、設立
から25年の実績を持つ。
その体験学習プログラムの質の高さには定評があるが、そこで重要な役割を果たしているのが
「ロープスコース」と呼ばれる体験教育用の施設だ。近年、同施設を施工する技術を進化させ
たレジャー施設アトラクションが人気を呼び、設計施工を担う同社のアドベンチャークリエー
ション部門のスタッフは全国を忙しく飛び回っている。
そして、そんな彼らにとって現場必携ツールとなったのが建築・土木の生産支援クラウドサー
ビス「Photoruction(フォトラクション)」である。今回Photoructionの導入背景や活用法
などについてディレクターの小澤新也氏にお話を伺った。

アドベンチャーパーク&ジップラインなどの施設を自社施工
「ロープスコースとは、木材や丸太、ロープなどを組み合せた用具を屋内外に配置し、安全に
アドベンチャーを体験できる施設です。私たちは当社の体験教育用コースを中心に、長年この
ロープスコースの設計施工を行ってきましたが、近年そこに新しい展開が生まれています」。
そう語る小澤氏によれば、スマホゲームの広がりや遊ぶ場所の減少が進む中、逆にアウトドア
&アドベンチャー志向が高まりPAJが蓄積したロプスコースのノウハウを活かしたアドベン
チャー施設作りへのニーズが拡大しつつあるという。例えば、空中アスレチックの「アドベン
チャーパーク」や動力なしで数百メートルのワイヤーを滑降する「ジップライン」など、施工
実績はすでに全国約40ヵ所以上に上っている。

        株式会社プロジェクトアドベンチャージャパン
        アドベンチャークリエーション
        ディレクター 小澤 新也 氏

        株式会社プロジェクトアドベンチャージャパン
        アドベンチャークリエーション
        ディレクター 小澤 新也 氏


「ハウステンボスの“天空の城”や、さがみ湖リゾート プレジャーフォレストの“ハッスルスパ
イダー”なども当社の施工です。こうしたテマパクや遊園地などでアドベンチャー体験を
提供したい施主は増加傾向です」。さらに2年前からPAJ直営のアドベンチャエンタテイン
メント事業も始動し、すでに3ヵ所が稼働したという。まさに教育事業に続く第2・第3の事業
フィールドが開拓されているが、ここで興味深いのは、このアドベンチャー施設の施工は、外
注を用いずPAJスタッフだけで行われている点である。
「丸太を立てる時は電設会社に依頼するなど外注はしますが、基本的にほぼ自社施工です。作
るモノが特殊で専門的なため建設会社には頼めない場合が多いですね」と小澤氏。その独自性
から、PAJの施工担当は自ら工事も行う監督兼作業員として現場へ行く。さらに現場は全国に
点在するため施工期間の1~1.5ヵ月間は地方のホテル暮らしとなることもしばしばだ。そん
なPAJの施工現場で、長年スタッフたちの課題となっていたのが写真管理の問題だった。

  ジップラインの様子

 ジップラインの様子


手間だった写真整理作業を解決するPhotoructionとの出会い
「アドベンチャーパークなどの施工現場では、公共工事同様に工事写真の撮影が欠かせません。
記録はもちろんクライアントに提出を求められることも多く1現場で200枚以上は撮影しま
す。問題は撮た写真をいつどのように整理するかです」。通常の現場なら監督が撮り空い
た時間に現場事務所のPCで整理するのが一般的だろう。しかし施工する施設の特殊性もあり
PAJの現場に現場事務所がない場合が多く監督兼作業員が工事の合間に撮影し作業終了後の
業務時間にホテルの自室などで少しずつ整理するしかなかった。

   アドベンチャーパークのポールコース

   アドベンチャーパークのポールコース


「複数の現場スタッフが各自のスマホやデジカメで撮るので、画像の解像度やサイズもばらば
らです。作業終了後にそれらの画像を取捨選択し、写真整理ソフトで整理していたため、手間
と時間がかかり大変でした」。さらに完工後は工事写真台帳をプリントし顧客へ提出するが、
出先で大量の印刷は難しく結局は帰社後となるため、どうしても作業は遅れがちだった。こう
した経緯から、より簡単に写真整理できるシステムを求めて、小澤氏が動き始めたのである。
「約4年前に会社のパソコンがすべてMacに切り替わたのをきかけに現場の声に応えよう
とスマホで使えるソフトを探し始めました。当社は、Androidのスマホユーザーが多いのです
が、他社製品はどれもiOS専用のソフトばかりでした。探し続けて、ようやく出会えたのがPhotoructionでした」。

    ジップラインの点検の様子

   ジップラインの点検の様子


Photoructionは、工事写真や図面など建設現場の必要な情報をすべて一元管理できる建築・
土木向け生産支援クラウドサービス。情報はリアルタイムに関係者と共有され、複数のプロ
ジェクトを一括管理できる点などが特長だ。小澤氏は、「ネットで製品の特長を知り、調べて
いくとPCはもちろんスマホでも使える上iOSでもAndroidでも動くというので早速スタ
フと無料の体験版を使ってみたのです。すると “スマホで撮った工事写真がそのまま簡単にク
ラウドに送られ共有できる” と大変好評で。即座に導入を決めました」と当時の様子を振り
返る。

Photoructionの導入により工事写真管理の大幅な効率化を実現
「導入当時は、大きなプロジェクトこそ動いていませんでしたが、活用機会はたくさんありま
した。当社には、全国40ヵ所以上の既存施設があり、体験教育用施設も加えると全国100ヵ所
以上になります。そのすべてで年に一度は定期検査を実施しており、専任の点検部隊が、一年
中全国を回っているのです。まず彼らにPhotoructionを使ってもらいました」。施工時ほどで
はないものの、点検時も必ずかなりの数の現場写真を撮影する。そのため、スタッフは、やは
り作業終了後にホテルの自室などで写真整理を行うのが日常だったという。
だが、Photoructionの導入により、そんな作業スタイルは大きく変わっていった。
「どこがというよりすべてが一変したんですよ。とにかく、撮影したその場で画像データがク
ラウドにアップされるから抜群にスピーディーだし、あとの手間もまったくないのです。以前
は整理作業でデータを入れ忘れたり、現場にデジカメを忘れて作業が中断したりしましたが、
そうしたミスもなくなりました」と小澤氏。多数の現場の写真を効率良く管理できるようにな
り、生産性向上に役立っているという。

  Photoructionのプロジェクト選択画面

  Photoructionのプロジェクト選択画面


さらに、現場と本社の遠隔地にいる担当者同士の打ち合せにも大きな威力を発揮しているとい
う。例えば、施設の点検中、気になる箇所の写真をPhotoructionでアップすれば「このボルト
がこんな状態で」などという具合に、他の場所にいるスタッフに見てもらいながらリアルタイ
ムで相談できるため、即座に的確な対応が取れるようになったのである。「10日もかけてやっ
ていた台帳のまとめも、Photoructionなら半分の5日で出せるようになりました。直感的に使
えるので習得も簡単だし、操作がわからない時はサポートに電話をかければ、すぐに回答して
くれるので助かりますね。いまではすっかり現場スタッフの必須ツールです」。

  Photoructionの工事写真管理の画面

  Photoructionの工事写真管理の画面


小澤氏によれば、今後はPhotoructionが備えるさまざまな機能の活用にも挑戦していく計画な
のだという。「現在は写真管理をメインに活用していますが、今後は工程表や進捗、TO DO管
理など業務を可視化できるリスト機能に、図面機能など現場回りの情報をトータル的に賄うこ
とで、より生産性向上に役立てたいです」と期待する。
「私たちは使うものは先端のものを取り入れながらも、25年間で培ってきた“アドベンチ
をとおして自然環境の中で人が学び、そして成長する”という教育事業の根本の考えを維持し、
より質の高いものや体験を社会に提供していきたいと思っています」と小澤氏。「そのために
も、Photoructionは業務の要となるシステムに育てていければと思いますね。次は、自社オリ
ジナルの書類を作って管理する、フィールドレポート機能を試したいです」と語り、
Photoructionが現場業務の効率化と品質向上の鍵になると信頼を寄せる。

「Photoruction」の詳しい情報は、 こちらのWebサイト で。