Magazine(マガジン)

クローズアップ

発表! ArchiFuture Web
2020年人気記事ランキング

2021.02.08

ArchiFuture Web は、2015年4月のオープンから5年9ヵ月が過ぎましたが建築業界を中心
に認知度が一層広がってきましておかげさまでページビューはますます増加しています。
オープンからお正月休みなどを除いて、毎日(平日)記事を更新していまして、「最新10行
ニュース」「コラム」「ソリューシンニュース」などのすべての記事の掲載本数は2020年
の1年間で512本もの本数となり、初めて500本を超えました。
前年より5%強も多い512本となり、1年間の平日の日数で計算すると前年に続き、1日平
均で2本を超える本数を掲載したことになります。

各記事・コンテンツの内容については、「コラム」「最新10行ニュース」を中心に、おかげさ
まで、高い評価をいただいています。
では、どの記事・コンテンツが、実際には人気が高かった(ページビューが多かった)ので
しょう?
そこで「ArchiFuture Web 人気記事ランキング」の<2020年版>を発表したいと思います
気になるランキングのベスト5をArchiFuture Webの中でも人気の高い、「コラム」「最新
10行ニュース」の2つのカテゴリーごとに発表します。

<コラム人気記事ランキング 2020年分>
第1位「“Zoom飲み”に学び、“Hangoutsお三時”を催す」 日建設計/山梨知彦氏 
    4月14日掲載
第2位「建築計画学からの解放」 東京藝術大学 / ALTEMY/津川恵理氏 12月17日掲載
第3位「BIMは労働生産性を高めると信じていますか?」 スターツコーポレーション /
    Unique Works/関戸博高氏 10月2日掲載
第4位「BIMソフト上での2D加筆併用による現実的なBIM活用」 日本設計/吉原和正氏 
    9月29日掲載
第5位「【BIMの話】転生したらBIMマネージャだった件」 竹中工務店/石澤宰氏 
    12月24日掲載

コラムの年間第1位は日建設計の山梨氏の「“Zoom飲み”に学び“Hangoutsお三時”を催す」
でした。1年目から3年連続年間1位を達成した山梨氏の3年ぶりの首位奪還となりました。
年間1位は、実にこれで6回のうち4回目となり、改めて絶大な人気ぶりを示しました。
このコラムは、昨年4月7日に、7都府県に緊急事態宣言が発令されて1週間も経たない、まだ
Web会議システムを使い始めたばかりの人が多数を占める時期に書かれたコラムで確か
レビのワイドショーで取り上げられるよりも若干前かほぼ同時期に「Zoom飲み」について紹
介したと記憶しています。内容は「Zoom飲み」についてだけ書かれたものではなくWeb会
議や在宅勤務のメリット、Web会議システムの効率化以外の視点からのコミュニケーション・
ツールとしての可能性などについて書かれた、大変タイムリーでとても面白いコラムです。

続いて、コラムの年間第2位は、東京藝術大学 / ALTEMY/津川恵理氏の「建築計画学からの
解放」でした。このコラムは津川氏のArchiFuture Webデビュー作で、デビュー作でいきなり
コラムの年間第2位となったのは、史上初の快挙です。ご存知のとおり、津川氏は
Archi Future 2020の特別セッションの講演者の一人です。その特別セッションでの講演の際
にも、津川氏を含む4人の若手建築家が、それぞれにこれまでの建築家とは違う、新しいアプ
ローチを講演していましたがこの津川氏のコラムも従来の建築家とは違う新しい建築設計
計画の在り方について書かれています。
「建築の常識も見直してみる必要がありそうだ」と書かれているとおり、かなり思い切った
発想のコラムでした。そのため、TwitterなどのSNSで拡散し、建築関係者の間で大きな話題
となり、賛否両論ありました。若干“炎上”した感もありましたが、それだけ皆さんが気になる
話題だたということだと思います。編集部で当時このコラムのエゴサーチをしたところ
定的な意見が6割否定的な意見が4割という感じでした。このコラムをまだ読まれてない方
はぜひご覧いただければと思います。デビュー作がここまで話題になりましたので次回のコ
ラムがとても楽しみですね。

コラムの年間第3位は、スターツコーポレーション / Unique Works/関戸博高氏の「BIMは
労働生産性を高めると信じていますか?」が入りました。関戸氏のコラムは、ここのところ
毎回安定して上位に入っていて、前年の第5位から第3位へのジャンプアップとなりました。
このコラムは、「BIMは働く人を幸せにすること(収入を増やし労働時間を短くする)に役
立っているのか?」という問いに対して、「Yes」と言えるようになるには、どうすればいい
かを考察したコラムでした。日本の労働生産性は長期に渡って良くなていないことをデー
タを使って説明し、その原因が全社的な成果ではなく、部門内での「タコツボ的成果」にと留
まっていることを指摘。その解決のポイントを示した、経営層から若手社員までの幅広い層に
とても参考となる、読み応え充分のコラムです。

また、コラムの年間第4位は日本設計/吉原和正氏の「BIMソフト上での2D加筆併用による
現実的なBIM活用」でした。吉原氏は初の年間ベスト5に入りとなりました。
設備設計でBIM活用のはじめの一歩を踏み出すために、すべてを3D化するのではなくBIMソ
フト上で2D加筆し対応した方が現実的であり実務にハマりメリトを感じられることなど
について書かれたコラムでしたBIMソフト上で2Dを利用することでいままでのCADと表計
算ソフトのスキル程度で、BIM活用が可能になるはずだそうで、BIM導入のハードルを低くし
てくれる解説が書かれています。データを一元化して扱えるなど、さまざまなメリットがある
BIMですが、その導入を迷っている人の背中を押す、示唆に富む、とても読み応えのあるコラ
ムです。

コラムの年間第5位は、竹中工務店の石澤氏の「【BIMの話】転生したらBIMマネージャだっ
た件」が入りました。石澤氏は2年連続の年間ベスト5に入りとなりました。
「転生したらスライムだった件」をもじった、とても印象的なタイトルのこのコラムは、ゲー
ムクリエイターの著書の話から入り、昨今の転生系ライトノベルや、ゲームにおける非リアリ
ズム的な世界観について、その傾向や特徴を解説しています。そして、建築界隈の人々にとっ
て、ゲーム由来の技術は建築のツールセットの一部になってきた感がある昨今「ゲームと建
築はより近しい関係になれるのではないか」と考える石澤氏がゲームと同様に「建築には物
語が必要です」という発想からさまざまな考察が書かれた、大変面白い力作です。


続いて、最新10行ニュースの人気記事ランキングです。
<最新10行ニュース人気記事ランキング 2020年分>
第1位「国土交通省が2025年度に全事業でBIM/CIMの適用を原則化へ」2月12日掲載
第2位「鹿島がBIMによるデジタルツインを建物のすべてのフェーズで実現」5月12日掲載
第3位「大林組がBIMモデル情報を活用した次世代型の生産設計図を実用化」11月5日掲載
第4位「ゼネコン20社がAIを応用した“配筋検査システム”を共同で開発」3月11日掲載
第5位「大林組が業界初の建築確認と構造計算適合性判定を同時に電子申請12月22日掲載

最新10行ニュースの第1位は、国土交通省が「BIM/CIM推進委員会」の2020年2月の会合
において、2025年度に全事業でのBIM/CIMの原則適用を目指す方針を示したという記事で
した。BIM/CIM運用拡大に向けた全体ロードマップ(案)を国土交通省が提示した中で、
2025年度に全事業でのBIM/CIMの原則適用を目指すことを宣言したこのニュースは、かなり
センセーシナルでもう誰もがBIM/CIMを避けて通ることができないという認識が日本の
建設界全体に広がり、大きな話題となりました。
第2位は、鹿島が、ビル新築工事において企画・設計から施工、竣工後の維持管理・運営まで
の各情報をすべてデジタル化し、仮想空間上にすべてのフェーズでBIMによるデジタルツイン
を実現したという記事でした。オービック御堂筋ビル新築工事で実現したもので、建物のすべ
てのフェーズにわたる実現は日本初とのことでついにBIMによるFMを含むデジタルツインを
実現した建築が登場しました。
第3位は、大林組が、BIMモデルの情報を生産設計図(施工用図面)として直接視覚化させた
「次世代型生産設計図」を実用化し、同設計図を用いた施工を開始したという記事でした。
設計情報と生産情報を統合・整備したワンモデル(BIMデータべース)を構築しBIMモデルの情
報を更新するだけで施工用図面として抽出・表示・伝達できる手法を確立したもので従来のA1
サイズなどの紙に印刷を前提とした「しばり」から脱却できることも特長とのことです。
第4位には「ゼネコン20社がAIを応用した“配筋検査システム”を共同で開発」が入りました
五洋建設戸田建設などゼネコン20社がAIおよび画像解析を応用した「配筋検査システム」
の共同研究開発契約を締結し、2019年4月より約2年間の研究開発を進めているという記事で
した。施工管理者の習熟度によらない効率的かつ正確な配筋検査を可能にするということで、
その内容は注目を集めました。
第5位は、大林組のニュースが第3位に続いてランクインしました。大林組が、建築確認申請
と構造計算適合性判定について、建設業界で初めて同時に電子申請を実施したという記事で、
実際に、2021年1月に着工する新潟市のビル新築工事で実施したものです。これにより、申請
はテレワークでも対応が可能となり、申請業務における変革を推進できたとのことで、コロナ
禍におけるテレワークなどの働き方改革の時代に、とても関心を集めたニュースでした。

まだまだご紹介したい記事・コンテンツがたくさんあるのですが、記事が長くなりすぎますの
で、「コラム」「最新10行ニュース」のベスト5に絞ってご紹介をさせていただきました。
ベスト5以外にも面白い記事・コンテンツが目白押しです。
「コラム」「最新10行ニュース」「事例紹介」「ソリューションニュース」など、それぞれの
記事・コンテンツのバックナンバーのタイトルをまずはご覧いただき、気になった記事をぜひ
ご覧いただければ幸いです。
「コラム」については、気に入ったコラムニストを見つけて、「コラムニスト一覧」などから、
そのコラムニストのバックナンバーをすべてご覧になるのもお勧めです。
2021年も、ArchiFuture Webを引き続きご愛読くださいますよう、何卒よろしくお願い申し
上げます。