BIM実務者の働き方
2023.01.24
パラメトリック・ボイス SUDARE TECHNOLOGIES 丹野貴一郎
BIMやデジタル技術を業務の中で使っている人は、どのような仕事をしているのですか?とい
う質問に対して一言では伝えられず、一般的に大まかな回答をしてしまう事があるのではない
かと思います。
例えば当社の事業概要は「BIM・建築ITコンサルティング、BIM及びITを活用した設計・施工
支援、建築ITの調査・研究・開発」と書いていますが、具体的に何ができるのかわからないと
思います(自分で書いておいて何ですが…)。
特にこれから建築デジタルの分野で働きたいと思っている学生の方などは、実際にどのような
働き方があるのかイメージできていない事も多く、これは教育する側、受け入れる側双方の問
題だと思っています。もっと産学連携をとって理解をすすめなければ、優秀な人材がいても働
き方が合わず能力が発揮できない、となってしまうでしょう。
すべてをコラムで書くには文字数が足りませんが、建築でBIMの仕事がしたいという場合を例
に簡単に私なりの考え方を書きたいと思います。
まずは、やりたいのは次のどれでしょう?
・設計 ・生産(施工) ・オペレーター ・活用推進 ・研究開発
働く場所はどこが良いでしょう?
・オフィス ・工事現場 ・自宅
どのような働きかたをしたいでしょう?
・長く同じ業務をしたい ・さまざまな事に挑戦したい
これらの組み合わせである程度決められると思います
(ちなみに、ここには書きませんでしたが、給与や会社のステータスも感情的には捨てられな
いと思います)。
仮に当社を想定して考えた場合は以下の様になります。
やりたいことが「オペレーター」「活用推進」「研究開発」であれば一緒に働ける可能性が高
いです。逆に「設計」「生産(施工)」の方は向いておらず、「設計」であれば設計事務所や
ゼネコン、「生産(施工)」であればゼネコンやメーカーが選択肢になると思います。
働く場所はどこでも大丈夫ですが、ある程度経験ができるまでは「自宅」だけというのは避け
たいです。
おそらく「工事現場」というのが最もイメージが付きにくいと思いますが、工事が始まると多
くの事は現場において検討・決定されるので、そばで実際に建物が建っていく状況も含めて最
も多くの事を学べる環境の一つではないかと思います。
なお、「工事現場」の場合は派遣として行ってもらうことになるので、指揮命令は現場の担当
者になります(現場の施工図/BIMチームには派遣の方も多く、重要な役割を担っているん
です)。
最後の質問は「様々な事に挑戦したい」という方が向いています。
これは、単純に少ない人数で様々な依頼に対応するので同じことだけをできる状況にないとい
う事と、常にアンテナを張って様々な技術や情報から自分のアイディアを考え出せる人材を期
待しているからです。
また、より自分自身でやりたいという気持ちが強ければ、業務委託で協力関係をつくるという
方法をとるかもしれません。
もちろん始めてみなければわからない事も多くありますが、さまざまな働き方の中からできる
限り自分に合った環境を選択して、この分野を活性化できる人材が育つ土壌づくりを進めるこ
とは急務だと思います。