誰かのために働く、ということ
2023.05.16
パラメトリック・ボイス 髙木秀太事務所 髙木秀太
はじめまして、髙木秀太です。
こんにちははじめまして。髙木秀太と申します。「建築家・プログラマーです」と自己紹介さ
せていただくことが多いのですが、どうもいまだにしっくりきません。建築設計とコンピュー
ターに関することであれば何でも仕事をお受けする、というスタンスなので「便利屋です」く
らいのほうがそれらしいな、と思っています。我ながら、なかなかに説明がしづらい職能では
あるのですが、そんな便利屋家業をまとめた初の書籍「髙木秀太事務所白書」を2023年3月に
出版しました。
全国の書店・ネット通販サイトでご購入いただけますので、是非お手にとって頂けると嬉しい
です。
今回、学生のころから憧れだったArchiFuture Webで1年間のコラムを隔月で担当する機会を
いただきました。とても嬉しいです。私が普段考えている建築やコンピューターに関する事を
お話する、気軽なエッセイのような連載になるといいな、と思ってます。なるべく読みやすい
文章になるように心がけますので、どうぞよろしくお願いします。
髙木秀太事務所
私は髙木秀太事務所という事務所の代表を務めています。2016年に設立したばかりで、組織
を構成するスタッフ10名はほぼ20代、という若い事務所です。建築設計とコンピュータープ
ログラミングの二刀流を武器とする人材が9割を締めます。
あなたは誰のために働きますか
突然ですが、このコラムの読者のみなさんは誰のために働いていますか?自分のためですか?大
切な家族のためですか?未来をつくる子供たちのためですか?将来建物や街を使ってくれる人達
のためですか?あるいは「社会」のためですか??
髙木秀太事務所は、、、建築設計業界で一生懸命になっている「誰か」のために働きたい事務
所です。「正義のミカタ」みたいなものに憧れがあるのだと思います。誠実な悩みを抱えてい
る建築設計関係者がいると放っておけません。私は知っています、建築設計に携わっているヒ
トたちの健全なものづくりの精神を。信じているのです、建築設計というピュアな動機を。す
べてが解決には至らないかもしれませんが、せめてその悩みや苦しみに寄り添うことができたら、、、、といつも思っています。
「正義のミカタ」の生存戦略
「正義のミカタ」なんて、こんな考え方はエゴだと思われるかもしれません。しかし、私達が
この業界で生き抜くためにも、切実な考え方だと思っています。だってアンパンマンだって、
自分ではない誰かを助けまくることで、結果、自己ブランディングを成し遂げ、長い間を生き
永らえているわけですものね。「正義のミカタ」というのは往々にして、その生存戦略はかし
こく、したたかなものです。髙木秀太事務所もそうでありたいと思っています。
「正義のミカタ」の相棒
そんな「正義のミカタ」に憧れる髙木秀太事務所ですが、やはり大切な相棒はコンピューター
ということになります。ヒト独りではとても助けられない・支えられない「誰か」も、コン
ピューターと力を合わせるとそれが実現する(可能性が高まる)、ということを設立以来、私達
は学んできました。
文頭に紹介した「髙木秀太事務所白書」は、髙木秀太事務所がこれまでにIT技術によって誰を
支え、誰に助けられてきたかを報告した本(=白書)です。7年間の活動から厳選した17のプロ
ジェクトが掲載されており、それぞれのプロジェクトで「関係者マップ」と呼ばれる相関図を
図解しました。さまざまなヒトが登場するその関係性の中で、コンピューターがどのように使
われ、テクノロジーがどのように役に立ったのかを紹介しています。
誰かのために働く髙木秀太事務所はコンピューターも誰かのために使う。それが私達のやり方
です。「みなさんは、誰のために働きますか?」この問いにもう一つ加えて、「みなさんは、
コンピューターを誰のために使いますか?」と問いたいです。是非、いつか、直接お会いする
機会があれば教えてください。