BIM実務者の仕事の来かた
2023.06.20
パラメトリック・ボイス SUDARE TECHNOLOGIES 丹野貴一郎
前回、前々回とBIM実務者の働き方について書いたのですが、今回はどのように仕事が来る
のかという話を書きたいと思います。
内容としては当たり前の話になってしまいますが、何となくは想像できても意外と実際に話
を聞く機会は少ないと思いますので、参考になれば幸いです。
今現在、私の場合はまず相談が来てお話を聞いてみたうえで、スケジュールとリソース(と
費用)が合えばお受けするという形が100%です。おそらくBIM系の業務を独立して行って
いる会社では多くはこのパターンだと思います。
相談にたどり着くまでのルートとしては、様々な理由で私を知っていただいているクライ
アントから連絡がくるパターンと、同業者から紹介して良いかと連絡がくるパターンがあり
ます。
前者は最も一般的なルートなのでわかりやすいと思いますが、現時点で当社は公表できる実
績がないため、人のつながりによることがほとんどになります。
後者は意外に思われる方もいるかもしれませんが、この業界では同業者同士が競合というよ
りは仲間という感覚が強いのではないかと思っています。
では、大きな企業に勤めている場合はどうなのかと言うと、基本的には社内において部署に
相談が来るパターンと個人に相談がくるパターンがあると思います(社外に開いているよう
な会社や部署の場合は社内だけではなくなる事もでてくると思いますが、あまり一般的では
ありません)。
企業では部門部署ごとにある程度役割が決まっており、前者のパターンが最も一般的なルー
トになります。後者の場合はこれまで一緒に仕事をした方から直接相談が来るパターンで、
ある程度長く勤めていると増えてきます。
独立系の場合も大きな企業の場合もプロジェクトにおける実績や繋がりというものが、その
後の業務内容に大きな影響を与えることが分かるかと思います。
特に独立系の方は、次の仕事に繋がるかどうかの重要な要因となるのではないでしょうか。
先日新たにArchiFuture Webのコラムニストに加われた髙木秀太さんが、コラムでも紹介さ
れていましたが「髙木秀太事務所白書」では関係者マップというものが各プロジェクトに掲
載されています。
おそらく、プロジェクト毎に関わる会社や関係者が異なり、立場や役割も異なるので、相関
図を載せることが最もわかりやすいと判断されたのだと思いますが、コラムの主題にもなっ
ている「誰かのために」という事も表現されたかったのかなとも思いました(髙木さん、勝
手に憶測を書いてすみません。質問の答えはまた会った時にでも)。
デジタル系の仕事をしていても、今のところ「仕事の来かた」というのは実に人間的です。
いずれAIに判断されるようになったとしても、データベースは実績と評判と費用かもしれま
せん。いずれにしても選ばれるように積み上げていくしかないのです。