Magazine(マガジン)

クローズアップ

発表! ArchiFuture Web
2021年人気記事ランキング

2022.02.15

ArchiFuture Web は、2015年4月のオープンから6年9ヵ月が過ぎましたが、建築業界を
中心にますます認知度が広がってきまして、おかげさまで、ページビューはこの1年でさらに
増加しています。
オープンからお正月休みなどを除いて、毎日(平日)記事を更新していまして、「最新10行
ニュス」「コラム」「ソリュションニュス」などのすべての記事の掲載本数は、2021年
の1年間で574本もの本数となりました。
前年より12%強も多い574本となり、1年間の平日の日数で計算すると、1日平均で
2.4本を超える、過去最高の本数を掲載したことになります。

各記事・コンテンツの内容については、「コラム」「最新10行ニュース」を中心に、おかげさ
まで、高い評価をいただいています。
では、どの記事・コンテンツが、実際には人気が高かった(ページビューが多かった)ので
しょう?
そこで、「ArchiFuture Web 人気記事ランキング」の<2021年版>を発表したいと思います。
気になるランキングのベスト5をArchiFuture Webの中でも人気の高い、「コラム」「最新
10行ニュース」の2つのカテゴリーごとに発表します。
ページビュ(PV)は、掲載日での有利不利がないように、掲載月の翌月末までをカウントして
います例えば、12月に掲載のコラムは、翌月の1月末までのPVをカウントしました。そのた
め、ランキングの発表が2月になっています。

<コラム人気記事ランキング 2021年分>
第1位「アプリの時代」 日建設計/山梨知彦氏 1月12日掲載
第2位「乱数とコンピュテーショナルデザイン~その2・設計における乱数の利用~
    コンピュテーショナルデザインスタジオATLV/杉原聡氏 11月9日掲載
第3位「BIMオタクも大事だが、それだけではやっていけない」 スタツコポレション/
    Unique Works/関戸博高氏 12月21日掲載
第4位「BIMへ変われないこと」 熊本大学/大西康伸氏 12月2日掲載
第5位「設備サブコンによる本格的なBIM活用の幕開け」 日本設計/吉原和正氏 
    5月11日掲載

コラムの年間第1位は日建設計の山梨氏の「アプリの時代」でした。山梨氏は昨年に続いて、
2年連続の年間第1位となりました。
年間1位は、実にこれで7回のうち5回目となり、絶大な人気ぶりを改めて示しました。
このコラムは、ある指針を示す社内文章の取りまとめをする際に、社内でバラバラに偏在して
いる知恵を集めて整理し、効率的に再利用するために、Webブラウザ上で作動する一つのアプ
リとしてまとめた具体的な事例を中心に、アプリ化のメリットについて書かれています。
InstagramやTikTokが代表的な例ですが、アプリによって簡単に使いこなせるようにすること
が数多くのユーザーの獲得に繋がっているように、アプリの存在意義が高まり、現代人の行動
の流れを生み出す役割の中でアプリの占める位置は確実に高くなってきていることに気付かせ
てくれるとともに、アプリ化する際のハードルやその解決の方向性などを解説した力作で、示
唆に富む、とても面白いコラムです。

続いて、コラムの年間第2位は、コンピュテーショナルデザインスタジオATLVの杉原聡氏の
「乱数とコンピュテーショナルデザイン~その2・設計における乱数の利用~」でした。
杉原氏は初の年間ベスト5に入りで、堂々の年間第2位となりました。杉原氏のコラムは毎回
内容がハイレベルなのですがここまで多くのPVを記録したのはArchiFuture Webの読者の
方々のリテラシーや向上心が高いことの証左だと言えるでしょう。
このコラムは、「乱数とコンピュテーショナルデザイン」シリーズの第2作で、第1作も大変
多いPVでしたが、第2作が上回りました。今月1日には第3作が掲載されています。
コンピュテーショナルデザインにおいて乱数は、設計に多様性を取り入れたり、最適化に用い
られたり、いろいろな場面で利用されています。しかし、乱数と一口に言ってもさまざまな種
類のものがあり、それぞれ定まった性質があります。このコラムでは、“設計における乱数の
利用について”をテマにどのような乱数をどのような設計の場面でどのような目的で用い
るかについて、多くの図を用いて解説しています。世界的なコンピュテーショナルデザイナー
である杉原氏による教科書としても使えるバイブル的なコラムです。

コラムの年間第3位は、スターツコーポレーション/ Unique Works/関戸博高氏の「BIM
オタクも大事だが、それだけではやっていけない」が入りました。関戸氏は3年連続の年間ベ
スト5に入りで、2年連続の第3位となりました。
このインパクトの高いタイトルのコラムは、“個人の知識”に対して“知識のコミュニティ”の重
要性について、認知科学の立場から書かれた本である「知ってるつもり〜無知の科学」から得
たヒントを元に企業内でFM業務をBIM-FMとして新たな仕組みに再構成しようとした場合に
そのヒントを当てはめて行った考察について書かれています。
「知能は特定の個人ではなく、コミュニティの中に存在する」という視点からの組織づくりと、
その組織に求められるリーダー像について書かれた、今後広くBIMデータを有効に使っていく
上で非常に参考となる、とても読み応えのあるコラムです。

また、コラムの年間第4位は、熊本大学/大西康伸氏の「BIMへ変われないこと」でした。
大西氏は初の年間ベスト5に入りとなりました。
タイトルに近い、「いまのBIMソフトでは決して支援し得ないことがある」という冒頭の文章
によって、“それは何なんだ?”という思いからどんどん読み進んでしまうコラムでした。その
結論だけでなく、「BIMの世界は、どちらかというと図面の世界ではなく、模型の世界」や
「BIMソフトが図面間の不整合を許容しない」「図面は不整合が許される世界のはずである」
など、示唆に富んだ文章が散りばめられていて、大変面白いコラムです。
なお、コラムに毎回登場するかわいい絵は、大西氏の娘さんの作品です。今後はぜひ絵にも注
目してご覧ください。

コラムの年間第5位は、日本設計/吉原和正氏の「設備サブコンによる本格的なBIM活用の幕
開け」が入りました。吉原氏は2年連続の年間ベスト5に入りとなり、「設備系のコラム」が
2年連続で大変高い人気を集めました。
このコラムは、BIMを設備施工でどのように活用し、メリットが見いだせるのかを具体的に紹
介した大手の設備サブコン2社や、ファブリケーション機能を利用した詳細なBIMモデルの情
報マネジメントを行っているシカゴの設備施工会社によるセミナーの内容をベースに、設備施
工でのBIM活用について書かれたコラムです。まだ2.5次元が主流ではある設備の施工分野の
本格的なBIM活用の幕開けを予感させる内容となっています。
コラムの結びで、今後若者に魅力ある業界として設備施工分野へ入ってきてもらうためにも、
現状維持を打破して、次の時代に備えた取り組みをそろそろ開始しましょうという吉原氏のポ
ジティブな呼び掛けがとても印象的でした。


続いて、最新10行ニュースの人気記事ランキングです。
<最新10行ニュース人気記事ランキング 2021年分>
第1位「日建設計と日本設計が構造設計の自動整合確認アプリを無償で公開」3月25日掲載
第2位「国交省がサイバー上に3D都市モデルを整備し東京23区のデータ公開」1月8日掲載
第3位「スターツが図面を使わずBIMデータを鉄筋加工機へ直接連携で合理化」1月14日掲載
第4位「大成建設がBIMと建物の随時運用情報の統合管理システムを開発」2月3日掲載
第5位「デジタルゼネコンを目指し清水建設がデジタル化コンセプトを策定」7月8日掲載

最新10行ニュースの第1位は、日建設計と日本設計が構造設計の自動整合確認アプリを無償
で公開したという記事でした。業界最大手の日建設計と日本設計が構造解析データとBIMデー
タ間の自動整合確認アプリを共同開発し、無償で公開したこのニュースは、とてもインパクト
が高く、大きな話題となりました。
第2位は、実世界の都市をサイバー空間に再現し、3D都市モデルを整備する「Project
“PLATEAU” (プラトー)」を進めている国土交通省が、その情報を発信するWebサイトをオー
プンし東京23区全域を網羅した同モデルなどを先行公開したという記事でした全国56都市
の3D都市モデルを今年度中に整備し、誰でも活用できるようにオプンデタ化するというこ
とで大変注目を集めました。
第3位は、スターツが従来の設計図面を使わずにBIMデータから加工データを作成して、自動
鉄筋加工機へ直接連携する技術を実現し、実証実験を完了したという記事でした。図面を使わ
ずBIMデータからダイレクトに自動加工機へ連携するということで、とても関心を集めた
ニュースでした。
第4位には、「大成建設がBIMと建物の随時運用情報の統合管理システムを開発」という記事
が入りました。自治体からの情報や気象情報などのオプンデータと他社アプリとの連携も可
能で、ニーズに合わせてリアルタイムに建物情報を建物利用者や管理者などに提供し、各種
データを有効活用する仕組みの構築が可能となるとのことです。
第5位は「デジタルゼネコンを目指し清水建設がデジタル化コンセプトを策定」がランクイ
ンしました同社の中期デジタル戦略2020を構成する「ものづくりをデジタルで」などの3つ
の柱の着実な推進・実現に向け“デジタル化コンセプト”を策定したという記事でした同社が
「デジタルゼネコン」を目指すことを標榜した点が大変注目を集めました。

まだまだご紹介したい記事・コンテンツがたくさんあるのですが、記事が長くなりすぎます
ので、「コラム」「最新10行ニュース」のベスト5に絞ってご紹介をさせていただきました。
ベスト5以外にも面白い記事・コンテンツが目白押しです。
「コラム」「最新10行ニュース」「事例紹介」「ソリュションニュス」など、それぞれの
記事・コンテンツのバックナンバーのタイトルをまずはご覧いただき、気になった記事をぜひ
ご覧いただければ幸いです。
「コラム」については、気に入ったコラムニストを見つけて、「コラムニスト一覧」などから、
お気に入りのコラムニストのバックナンバーをすべてご覧になるのもお勧めです。
2022年も、ArchiFuture Webを引き続きご愛読くださいますよう、何卒よろしくお願い申し
上げます。