発表! ArchiFuture Web
2024年人気記事ランキング
2025.02.27
ArchiFuture Web は、2015年4月のオープンから9年10ヵ月が過ぎ、今年の4月でオープ
ンからちょうど10年となりますが、建築業界を中心にますます認知度が広がり、おかげさま
で、ページビューはこの1年も引き続き増加していて、建設業界向けのWebメディアの中で
非常に多いユニークユーザー数とページビューを誇っています。
オープンからお正月休みなどを除いて、平日は毎日記事を更新していまして、「最新10行
ニュース」「コラム」「ソリューションニュース」などのすべての記事の掲載本数は、
2024年の1年間で591本となりました。
昨年も多くの記事を制作・掲載しまして、前年より約8%多い本数となり、1年間の平日の
日数で計算すると、昨年は1日平均で約2.5本の記事を掲載したことになります。
各記事・コンテンツの内容については、「コラム」「最新10行ニュース」を中心に、おかげさ
まで、高い評価をいただいています。
では、どの記事・コンテンツが、実際に人気が高かった(ページビューが多かった)ので
しょう?
そこで、今年も恒例の「ArchiFuture Web 人気記事ランキング」の<2024年版>を発表し
たいと思います。気になるランキングのベスト5をArchiFuture Webの中でも人気の高い、
「コラム」「最新10行ニュース」に絞りそれぞれのカテゴリーごとに発表します。
ページビュー(PV)は、掲載日での有利不利がないように、掲載月の翌月末までをカウントして
います。例えば、12月に掲載のコラムは、翌月の1月末までのPVをカウントしました。そのた
め、ランキングの発表が2月になっています。
<コラム人気記事ランキング 2024年分>
第1位「画像生成AIをどう使っていくか」 日建設計/山梨知彦氏 1月11日掲載
第2位「ゲーリーの過渡期とCATIAとリック・スミス」
コンピュテーショナルデザインスタジオATLV/杉原聡氏 6月4日掲載
第3位「BIMに手書き図面の”味”は出せるか?」 東京大学/中倉康介氏 11月21日掲載
第4位「日本のBIMは“大ピンチ”か!?」 Unique Works/関戸博高氏 7月16日掲載
第5位「既存建物をデジタル化する新技術~3Dガウススプラッティングの可能性」
大阪大学/福田知弘氏 12月10日掲載
コラムの年間第1位は、日建設計の山梨知彦氏の「画像生成AIをどう使っていくか」でした。
山梨氏の2年連続の年間第1位となりました。
年間1位は、実にこれで10回のうち7回目となり、改めて絶大な人気ぶりを示しました。
このコラムは昨年1月に書かれたコラムですが、一昨年の約1年間の生成AIの状況と今後の展
望をわかりやすく解説するとともに、画像生成AIを使ったことがない人に向けた、親切で丁寧
な指南書となっていて、建築業界ではまだまだ使ったことがない人が多い中で、広く使うきっ
かけとなる素晴らしい内容の大変な力作です。
日本建築学会賞(作品)を2度も受賞している有名建築家である山梨氏が「画像生成AIをどう
使っていくか」をテーマに書いたコラムは、建築関係者の大きな注目を集めました。
続いて、コラムの年間第2位は、コンピュテーショナルデザインスタジオATLVの杉原聡氏の
「ゲーリーの過渡期とCATIAとリック・スミス」でした。杉原氏は3年ぶりの年間ベスト5に
入りで、2021年と同じ第2位となりました。
1990年代初頭というかなり早い時期に3次元CADを導入し、コンピュテーショナルデザイン
の先駆者である世界的に著名な建築家のフランク・ゲーリー。3次元CADをゲーリーが導入し
た意外なきっかけと経緯や、導入初期のさまざまなエピソードについて書かれた、非常に面白
いコラムです。ゲーリーはなんと実はコンピュータが嫌いなことや、投資家とのトラブル、
ゲーリー事務所における“都市伝説”など、驚くべきエピソードがテンコ盛りで、相当面白い内
容となっています。いろいろなエピソードだけでなく、隠れたテーマも素晴らしい、ぜひ読ん
でいただきたい秀作です。
コラムの年間第3位は、東京大学の中倉康介氏の「BIMに手書き図面の”味”は出せるか?」が
入りました。中倉氏は東京大学生産技術研究所の豊田啓介研究室の研究員の一人で、研究室の
方々にリレー枠でコラムを執筆いただいている豊田啓介研究室からは初めての年間ベスト5に
入りとなりました。
このコラムでは、「手書きの図面や2D CADから紙に出力された図面には何とも言えない
”味”がある一方で、BIMデータはどこかフラットで冷たい印象を受ける」という指摘から、そ
の違いはどこから生まれるのかについて、手書きの図面や2D CADとBIMデータとの違いを考
察するとともに、一番の違いを一言でまとめています。多くのBIMユーザーが普段思っている
ことをテーマにしたことで数多くの共感を集め、思い切りよく、一番の違いを一言でまとめて
いる、大変興味深いコラムです。
また、コラムの年間第4位は、Unique Worksの関戸博高氏の「日本のBIMは“大ピンチ”か!?」
でした。関戸氏は3年ぶりの年間ベスト5に入りとなりました。
大変センセーショナルなタイトルのこのコラムは、この数年の日本のB I M事情を、時間をか
けて調べた関戸氏が、「日本のB I Mはデータ連携の観点からすると、前に進んでいないので
はないのか?これって『大ピンチ』じゃない⁉︎」と感じたことから、なぜ前に進んでないのか
について考察しています。B I Mデータの連携をする上での5つの課題を挙げて考察するとと
もに、その解決のためのヒントとなる海外における取り組みの事例を紹介。そのほかにも、
“大人のための「大ピンチ本」の紹介”など、B I Mデータ連携の実現のためのさまざまなヒン
トが盛り込まれた、とても読み応えのあるコラムです。
コラムの年間第5位は、大阪大学の福田知弘氏の「既存建物をデジタル化する新技術~3Dガ
ウススプラッティングの可能性」でした。福田氏は初の年間ベスト5に入りとなりました。
BIMは新築プロジェクトでは広く活用されている一方、既存の建物についてはBIMデータがな
い場合が多く、データを一から作る必要があり、その作成コストや手間などが課題となって
います。このコラムは、これを解決するための新しいアプローチとして、「3Dガウススプラッ
ティング」という技術を紹介しています。2023年のシーグラフで発表され、機械学習を活用
して2D画像から3Dシーンを再構築する同技術について、BIMに適したデータに変換する方法
や検証結果、新しい可能性について書かれた、大変興味深いコラムです。
続いて、最新10行ニュースの人気記事ランキングです。
<最新10行ニュース人気記事ランキング 2024年分>
第1位「“BIM利用技術者試験”の1級・準1級の試験サンプル問題を公開」1月11日掲載
第2位「安藤ハザマがブラウザ上でBIMの確認や設計指示などを行い効率化へ」5月14日掲載
第3位「日建設計らがBIMを活用した統合FMプラットフォームの運用を開始」6月13日掲載
第4位「三機工業が設備設計の知見をBIMへ展開し自動作図機能を共同開発へ」12月20日掲載
第5位「竹中工務店がメタバース空間“リュウグウコク”での実証実験に参加」1月9日掲載
最新10行ニュースの第1位は、「BIM利用技術者試験」の1級・準1級の試験サンプル問題を
公開したという記事でした。BIMの新たな資格制度「BIM利用技術者試験」1級・準1級試験を
昨年7月より初めて開始するにあたり、サンプル問題を公開したというニュースで、大きな
注目を集めました。
第2位は、安藤ハザマがブラウザ上でBIMの確認や設計指示などを行うシステムを開発したと
いう記事でした。設計者はBIMの煩雑な操作を習得する必要がなく、ブラウザ上でBIMの3D
ビジュアルチェックが可能で、BIMオペレーターとの設計指示伝達の円滑化や効率化が図れる
とのことで、大きな話題となりました。
第3位には、日建設計らがBIMを活用した統合FMプラットフォームの運用を開始したという
記事がランクインしました。超高層ビルでの事例で、維持管理用のBIMは国内最大級のオブ
ジェクト数を有するとのことです。BIMデータの軽量化を図り、管理者がPCブラウザ上で簡単
に扱えるようにしているとのことで、高い関心を集めました。
第4位は、三機工業が設備設計の知見をBIMへ展開し自動作図機能の共同開発を行うという
記事でした。三機工業が蓄積してきた図面作成に関する技術的知見を、建築設備専用CADソフ
トに提供するもので、建築設備業界でニーズの高い自動作図機能の開発という点が注目を集め
たニュースでした。
第5位は、竹中工務店がメタバース空間 「リュウグウコク」での実証実験に参加するという
記事が入りました。竹中工務店がジャパンメタバース経済圏構想から生まれたRPGプロジェク
ト「リュウグウコク」の仮想空間内の実験に参加するというニュースで、「リュウグウコク」
という名称にも注目が集まりました。
まだまだご紹介したい記事・コンテンツがたくさんあるのですが、スペースの関係で、「コラ
ム」「最新10行ニュース」のベスト5に絞ってご紹介をしました。
このベスト5のほかにも面白い記事・コンテンツが多数掲載されています。
「コラム」「最新10行ニュース」「事例紹介」「ソリューションニュース」など、各カテゴ
リーの記事・コンテンツのバックナンバーのタイトルをまずはご覧いただき、気になった記事
をぜひご覧いただければ幸いです。
例えば、「コラム」なら、気に入ったコラムニストを見つけて、「コラムニスト一覧」などか
ら、お気に入りのコラムニストのバックナンバーをすべてご覧になるのもお勧めです。
2025年も、ArchiFuture Webを引き続きご愛読くださいますよう、何卒よろしくお願い申し
上げます。